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【コラム】交通事故被害者の方が弁護士に依頼するタイミング

2021-03-06

交通事故の被害者の方が弁護士に依頼するのはどのタイミングが良いのでしょうか?

考えられるタイミングをいくつか挙げてみます。

1、事故直後

 事故直後に依頼するメリットとしては、

・加害者側の保険会社や加害者本人とのやり取りをすべて弁護士に任せることができる

・物損については早期に和解する場合が多いがその交渉も弁護士に任せることができる

・過失割合について揉めている場合には証拠(防犯カメラなど)が失われる前に弁護士が動くことができる

・治療について補償という観点からの意見を弁護士に聞くことができる

という点を挙げることができます。

 

2、治療中

この段階で依頼するメリットとしては、

・比較的早い段階で依頼することでその後のやり取りを弁護士に任せることができる

・加害者側の保険会社から治療打ち切りを言われた場合に弁護士に治療継続へ向けた交渉を頼める

・いつ症状固定にするのが良いのかという点についても相談できる

という点を挙げることができます。

 

3、症状固定時

この段階で依頼するメリットとしては、

・後遺障害等級認定の申請(自賠責保険に対する被害者請求)を弁護士に任せることができる

ということが挙げられます。もちろん、1,2の時点でご依頼の場合も、これは可能です。

 

4、等級認定後

弁護士への依頼をご希望の場合は、遅くてもこの段階にはご依頼いただく形になりますが、敢えてこの段階まで待つ必要はなく、事故直後や治療中にご依頼いただければ、弁護士も被害者の方に対して多くのサポートをできると思います。

 また、上記のように列記しましたが、事故直後にご依頼いただければ、上記2以降に挙げたメリットはどれも当てはまるわけで、まずは早めにご相談頂ければ、と思います。

 

5、無料相談について

 多摩中央法律事務所では、交通事故については、相談だけなら無料です。まずはご相談ください。その上で、依頼をするかどうか、ご検討いただければ、と思います。なお、弁護士特約を利用してのご依頼も歓迎いたします。

【コラム】交通事故の被害者が弁護士に依頼するメリット

2020-11-03

交通事故の被害者が弁護士に依頼するメリットとしては、どのようなものがあるでしょうか?

 

1、加害者側の保険会社の担当者と話をしなくてよくなる

 弁護士にご依頼頂ければ、以後、加害者側の保険会社との交渉はすべて弁護士が行います。

ご本人様は保険会社の担当者と話をしなくてよくなります。

 

2、後遺障害の被害者請求や異議申し立てについて弁護士のサポートを受けられる

 後遺障害の認定には加害者側の保険会社を通す事前認定という方法と、自賠責を通す被害者請求があります。被害者請求の方が必要に応じて各種書面を出せるので被害者請求の方が望ましい場合があります。ただ、この際、どのような書類を出せばよいか、は専門的な知識がないと判断が難しいところです。そこで、弁護士に依頼頂ければ、必要に応じてアドバイスをします。

 被害者請求の結果が思わしくなかったときに行う異議申し立てについても、同様にサポートが可能です。

いずれの場合も、必要に応じて、弁護士が意見書を書くこともあります。また、医師面談に同行することもあります。

 

3、慰謝料や休業損害について適切な金額を請求できる

 慰謝料に関しては、自賠の基準任意保険会社の基準だといわゆる裁判基準に照らしてかなり低く、不十分な額と言わざるを得ません。たいていは、保険会社は自賠基準か任意保険会社基準で提示してきますが、弁護士が交渉すると裁判基準(赤い本の基準)かそれに近いところで示談できる場合が多く、判例に照らして充分な補償を受けることが期待できます。特に、後遺障害が残る場合は、入通院慰謝料の他に後遺障害慰謝料も請求できるため請求額も大きくなりがちであり、そうすると、保険会社提案額と適正な額の差額も大きくなりがちです。それゆえ、後遺障害が残る場合は、弁護士に依頼することの必要性は高いと言えるでしょう。もちろん、入通院慰謝料だけでも数十万円の差が出ることもありますので、多くの場合依頼のメリットはありますが、後遺障害が認定される場合はなおさら、ということです。

 また、休業損害についても、日当の計算やどの時点までが休業期間として認められるか、などで揉めることもあり、やはり、代理人弁護士による専門的な見地からの検討を行うことが望ましいと言えます。

 

4、まとめ

 このように、交通事故について弁護士に依頼すると、相手方保険会社の担当者と話さなくてよくなる後遺障害の等級認定に向けて専門的な見地からのサポートを受けられる、慰謝料や休業損害について充分な額での補償を期待できる、などのメリットがあります。

 さらに、過失相殺など論点がある場合や、物損の修理代や評価損などについて争われている場合も、まずは弁護士への相談が望ましいと言えるでしょう。

 いずれにせよ、ご依頼によりメリットが大きいかどうか、費用との関係ではどうか、についてはご相談の際にご説明します。当事務所では、交通事故については、相談だけなら無料なので、まずはご相談ください。

【コラム】素因減額とは?

2020-07-19

交通事故で怪我をした部位に、実は事故以前から疾患を抱えていたような場合、交通事故と、もともと被害者のもっていた疾患がともに原因となって、損害が発生したのではないかと思われるケースが、しばしばあります。このようなケースについて問題になる、素因減額について、今回のコラムでは説明させていただきます。

 

1 素因減額

被害者が、事故以前から持っていた心や体に関する特別な事情を素因といいます。素因には、2種類あります。1つは、被害者の精神的傾向である「心因的要因」です。もう1つは、既往の疾患や身体的特徴などの「体質的・身体的素因」です。当該素因が影響している範囲で加害者に負わせる損害額を減額することを素因減額といいます。

 

2 心因的素因について

被害者の性格等が原因で、損害が拡大したといえるような事案では、心因的素因の減額がなされる場合があります。

最高裁昭和63年4月21日(民集42・4・243)では、事故によりむちうち症(外傷性頭頸部症候群)となった被害者が、10年以上の入通院を継続した事案について、被害者の特異な性格や、回復への自発的意欲の欠如等があいまつて、適切さを欠く治療を継続させた結果、症状の悪化とその固定化を招いたと考えられるとして、事故後3年間を経過した日までに生じた損害の4割の限度に減額しました。

 

3 体質的・身体的素因について

  • 素因にあたるかどうか

体質的・身体的素因にあたるがどうかは、その問題となっている身体的な特徴や症状が、「疾患」に該当しているかどうかで判断されます。最高裁平成8年10月29日(民集50・9・2474)は、首が長くこれに伴う多少の頸椎不安症がある被害者について、「被害者が平均的な体格ないし通常の体質と異なる身体的特徴を有していたとしても、それが疾患に当たらない場合には、特段の事情の存しない限り、被害者の右身体的特徴を損害賠償の額を定めるに当たり斟酌することはできない」として、素因減額を否定しました。

このため、年齢相応の身体状態については、素因減額をされないのが原則です。例えば、60代の女性が大腿骨の骨折をした事案で、被害者に同年代の女性相応の骨密度低下傾向が認められたとしても、骨粗しょう症と評価されるほどのものではないとして減額が否定された例があります(大阪地判平15・2・20 交民36・1・225)。

  • 疾患に該当した場合

疾患に該当するような体質的・身体的素因があり、それが損害の発生・拡大に影響しているといえる場合には、素因減額がなされます。逆にいえば、仮に事故前に疾患に該当する症状があった(既往症があった)としても、その疾患の具体的症状の内容や、事故態様や事故の衝撃の強さからして、当該疾患がなかったとしても当該損害が発生していたと言える場合(素因が損害の発生・拡大に影響していないか、影響が相当軽微である)といえる場合には、素因減額がなされない場合もあります。

 

4 素因減額がなされる場合

素因減額がなされるとして、素因がどの程度損害の発生・拡大に影響しているのかの割合は、個別具体的事案ごとに判断されます。事故以前の心身の状態について明らかにするため、通院していた病院からカルテや診断書などを取り寄せたり、医師の意見を聞いたりする必要があり、時間がかかることが多いです。裁判になると、原告被告それぞれが医学的資料をもとに主張反論を行い、長期間争われることもあります。

 

5 まとめ

以上の通り、素因減額は医学的な問題が伴うため、とても専門的です。また、素因減額が認められてしまうと、賠償額が大きく減ってしまう可能性もあります。このように、素因減額の有無は非常に重要なのですが、被害者の方は素因減額のことなど頭にないまま治療がかなり進んでしまった状態や、治療が終了していざ示談の話を進める段階になって初めて、相手方から主張がされることもあるのが、厄介なところです。そのため、事故にあった部位を過去に負傷したことがあるような方は、なるべく事後後早い段階で、弁護士にご相談いただきたいと思います。早めにご相談いただくことで、後で素因減額の主張がされた場合に備えて、例えば治療費を健康保険適用としておき全体の損額額を抑えておく等の対応がとれますので、なるべく事故後早い段階でのご相談をお待ちしております。

【コラム】被害者なのに訴えられた?

2020-07-13

被害者なのに訴状が届いた?

交通事故の被害者なのに訴状が届いてびっくりしたという方もおられると思います。もちろん、被害者側にも過失があれば、その分について相手方の負傷や物損についての損害賠償を求めるという内容の訴訟を起こされることはあります。ただ、過失が全くない場合にも訴訟をされることがあります。これは、どういうものでしょうか?

交通事故の場合における債務不存在確認訴訟とは?

実は、その場合、「債務不存在確認訴訟」である可能性が高いです。これは、加害者側が「これ以上支払いをする必要はないことを裁判所に確定してもらう」ための裁判です。例えば、これまで休業損害と治療費を払ってきたとします。加害者側の保険会社としては、交通事故の治療としてはこれ以上行なっても効果がないと考える(症状固定)、休業の必要もこれ以上はないと考える、ような場合に、債務不存在確認訴訟をすることがあるわけです。治療も休業も交通事故と因果関係がある分だけ支払えば良いので、被害者の方が治療に通っていても改善の見込みがないなら交通事故の治療として必要とはいえないし、休業についてはそもそも出勤できるのでは、と保険会社側が考えると、このような訴訟をしてきて確定させようとするわけです。

*なお、実際に起こされた訴訟がどのような訴訟であるかは、訴状を見ないとわかりません。上記はあくまでそういう場合が多いという解説なので、実際に訴状が届いた場合は弁護士にご相談ください。

どのように対応すべきか?

裁判は、放置すると、原告勝訴の判決が出ます。ほとんどの場合、そのようになります。したがって、放置してはいけません。もし、債務不存在確認訴訟を放置して敗訴すれば、それ以上支払いを求めることができなくなってしまいます。したがって、弁護士に依頼して争うと良いのですが、同時に、反訴として、被害者側から加害者側への請求を行うことが一般的です。そうすると、一つの訴訟の中でまとめて審理が行われることになります。

まずは相談を

裁判所から訴状が届いた場合は、まずは弁護士にご相談ください。当事務所では、交通事故に関しては相談だけなら無料です。電子メールか電話でご予約の上、事務所までご来訪をお願いします。(なお、内容等により、出張相談ができることもあります)

【コラム】事故直後にすべきこと

2020-05-19

交通事故に遭ってしまった場合、まず何をすべきでしょうか?

1、警察への連絡

 交通事故については、警察に届けることが法律上義務付けられています。また、届け出をすることは被害者にとっても重要です。なぜなら、届け出をしないと交通事故証明書が作成されないため、自己の存在自体を立証できなくなる恐れがあるからです。また、交通事故証明書には相手方の住所も記載されますが、届け出をしないと警察は事故の存在を知ることができず交通事故証明書が作成されないため、加害者がどこのだれかわからなくなってしまう恐れもあります。そうすると、損害賠償の請求をすることが事実上不可能になりかねません。 

 

2、通院

 けがをしていた場合には、速やかに病院に行くべきです

もちろん、事故直後に負傷が明らかな場合は、そのまま病院に行くでしょう。救急車を呼ぶことも珍しくありません。しかし、痛みがそれほど強く場合、仕事が忙しいなどの理由でなかなか病院に行かない方もいますが、これは後で治療費や慰謝料などの補償を求める場合に望ましくありません。すなわち、初診まで時間が経ってしまうと、後で事故と怪我の因果関係を疑われる恐れもあります。すなわち、病院に行くまで時間が経っている場合には、怪我は交通事故で生じたわけではないという主張をされかねないのです。当初はそれほど痛まなくても後から痛みが出てくる場合もありますが、痛みが出てきたら速やかに病院に行くようにしましょう。

 

3、検査

 これは通院とも重なりますが、病院ではしっかり検査を受けましょう。特に頭を打った場合は、MRIなどの検査を受けておくと、もし、後で高次脳機能障害と思われる症状が出た際に、立証のために必要な資料となります。すなわち、事故直後の検査結果がないと正当な補償を受けられないことがあるのです。もちろん、検査をしてもらえるかどうかは医師に話してみないとわかりませんが、可能であれば、受けておくべきだと思います。

 

4、当初物件事故で処理されていた場合

 当初物件事故で処理されていたけれども負傷が明らかになった場合には、速やかに人身に切り替えてもらいます。これは当該事故について捜査をしている警察署に申し出てください。時間が経ちすぎると切り替えができないこともあるので、早めに申し出るべきです。物件事故のままになっていると実況見分調書が作成されないなど立証に必要な資料が不足する恐れがあるのみならず、保険会社との交渉の際に不利になりかねません。それゆえ、物件事故とされていた場合、人身傷害が判明した時点で、速やかに人身事故に切り替える手続きをするべきです。

 

5、証拠の確保

交通事故の証拠の中には時間が経つと消えてしまうものもあります。例えば、過失割合が争われている場合には事故の態様を知るためにコンビニなどの防犯カメラの画像を用いることがありますが、防犯カメラの画像は多くの場合1週間~1カ月程度しか保存されていません。それゆえ、事故の態様が問題になっている場合には、そのような映像はすぐに保存してもらう必要があります。

 

以上、交通事故の被害者の方が、事故直後にするとよいことをまとめてみました。

もし、交通事故の被害に遭った方で、どのようにすればよいかよくわからないという方は、まずは弁護士にご相談ください。

【コラム】弁護士が医師に意見をうかがう場合について

2020-03-30

交通事故のご依頼を受ける中で、医学的な争点について医師に意見を聞いてみたい、という場面があります。そんなときには、弁護士から医師に、お手紙を送ったり、場合によっては面談をお願いすることもあります。具体的にどんな場面か、このコラムでは書いてみたいと思います。

 

1 症状固定が争われた場合

 例えばむちうち症の場合、相手方保険会社が「事故から半年たったので症状固定としてください。来月からの治療費はもう支払えません。」等と言ってくることが少なくありません。しかし、症状固定かどうかは、「事故から半年」というような一律な基準で決まるものではなく、被害者一人一人の個別具体的な事情を見て、治療の効果が出て症状の改善がみられるかどうかにより決められるべきです。そこで、日頃から被害者の方の治療状況を把握している主治医に、「症状固定かどうか」と「その理由」について、意見を伺うことがあります。医師が、症状固定ではないとの意見の場合には、その旨の意見書を書いてもらい、これをもとに相手方の保険会社と交渉を行います。仮に、裁判まで発展した場合にも、医師の意見書は、1つの重要な証拠になります。

 

2 診断書等の書類について加除訂正を求める場合

 弁護士が診断書等の書類を細かくチェックしていると、記載が欠けているのではないか、矛盾があるのではないか、と思わる点が見つかることがあります。もちろん、加除訂正をするか決めるのは医師なので、弁護士としては「ここは〇〇ではないかと思われるのですが」と問題提起をし、医師に書類の内容を見返してもらうきかっけを作ります。

例えば、事故により「足と腕」を怪我したのに、診断書には「足」の怪我しか記載がなかったので、「腕」の怪我について、追加してもらったことがあります。

また、自賠責の書式の診断書には、症状の経過について「治ゆ 継続 転医 中止 死亡」の欄に〇をつける欄があるのですが、後遺障害等級申請を行おうとしているにも関わらず「治ゆ」に〇が付けられていたこともありました。これは後遺障害等級申請を行う(=症状が治らずに残っている)ことと矛盾してしまいますので、等級認定の申請を出す前に、訂正してもらったこともありました。

 

3 画像について詳しく知りたい場合

担当医師が「MRI画像で異常がある」と診断しているにも関わらず、後遺障害等級認定の申請を出すと「MRI画像上異常がない」という真逆の判断をされてしまうことがあります。このような場合、担当医師が、どの画像のどこを見て、どのような異常があると判断されたのかを詳しく教えていただく必要があります。弁護士が病院に出向いて医師と面談をし、実際に画像を見ながら説明してもらうこともありますが、文書で回答してもらうこともあります。そして、医師の説明をもとに、等級認定を不服として異議申し立てを行うかどうかを決め、意見書等の書類を準備していくことが多いです。

 

以上、このコラムでは、弁護士が医師に意見を聞く具体的な場面を、いくつか挙げてみました。交通事故のご依頼を受けていると、争いになっているポイントについて、医師の意見書等を提出できれば、有利になることが少なくありません。交通事故を弁護士に依頼された場合には、このように積極的に必要な資料を用意する活動も行いますので、どうぞ安心してお任せいただきたいと思います。

 

【コラム】レセプトとカルテについて

2020-02-29

弁護士に交通事故の依頼をすると「レセプト」と「カルテ」という、少し似た言葉をよく聞くと思います。この2つの言葉がわかると、弁護士からの説明等がずっとわかりやすくなると思うので、このコラムでは、レセプトとカルテについて説明していきます。

 

1 レセプトとは

レセプトは、診療報酬明細書のことです。加害者が任意保険に加入している場合、かかった医療費は、被害者の方は負担せず、直接保険会社から、病院や接骨院等に支払われることが多いです(過失割合がある場合等は、別の方法になることがあります)。そうすると、病院や接骨院などが、直接保険会社に医療費を請求することになります。その請求の際に、病院等が明細書として作成するのがレセプトです。レセプトには、なされた処置・検査・とった画像・処方された薬等と、その金額(保険点数)が記載されます。レセプトの書式は、医療機関や保険会社毎に多少の違いはありますが、ほぼ似た形式です。原則、月1回作成されます。レセプトは、交通事故で治療費がかかった場合には、原則必ず取り寄せることになるものです。

 

2 カルテとは

カルテとは、診察毎に、医師が作成する診療記録のことです。病院によって、昔ながらの紙のカルテに手書きのところもありますが、最近はパソコンで作成する電子カルテが増えて来ていますよね。患者さんがどんな症状を訴えたのか、それに対してどんな処置をしたのか、処方された薬等が記載されていることが多いですが、書式も病院や先生毎に異なり、詳しく書かれている場合もあれば、簡単な記載しかない場合もあります。カルテは、医学的に争いがない事案では取り寄せることは少ないですが、何か争いがある場合には取り寄せることが多いです。

 

3 まとめ

このように、レセプトは医療費の請求のために原則月1回作られる医療費の明細書、カルテは診察毎に医師が作成する診療記録、という違いがあります。交通事故の案件では、原則レセプトは全ての案件で取り寄せますが、カルテは何か争いになる点がある場合に取り寄せることが多いです。交通事故では色々な言葉が出てきます。言葉の意味が少しわかるだけで、今何の話がされているのか、わかりやすくなると思いますので、参考になれば幸いです。

 

【コラム】代車費用~その代車、いつまで借りられる?~

2020-02-26

<代車費用~その代車、いつまで借りられる?~>

 

ストーリー

買い物途中で交通事故に遭ってしまったAさん。買い物に行く際にいつも車だったため、相手保険会社に依頼して代車を手配してもらった。

しかし、1週間ほど経過した時点で、代車を返せ、といわれた。これは返さないといけないのでしょうか?

 

代車費用とは

代車費用とは、文字通り、代わりの車のことを言います。すなわち、交通事故により自身の車を修理に出すなどのために使うことができない期間において、実際に使用したレンタカー費用を加害者に請求することができます。加害者側に任意保険会社が付いていれば、通常は任意保険会社が費用を支払ってくれますが、当然、無制限ではないので、注意が必要です。

代車が必要か、どれくらいの期間必要か、という点について、相手保険会社からは、(担当者にもよりますが)、比較的緩い基準で認定されることもある金額である一方、裁判になった場合には厳格に認定される傾向にあるため、注意が必要です。返還を求められたのに長く乗っていて最終的にその分が認められないと、慰謝料など他の項目から引かれてしまったり、最悪、それでの不足する分を請求される恐れもありますので、注意が必要です。

 

代車費用について、注意すべき点は大きく以下3点です。

  ①代車の使用は必要か(必要性

  ②代車の使用期間は相当か(期間の相当性

  ③代車の費用は相当か(費用の相当性

 

①必要性

 代車(レンタカー)を使用しなければならない必要性が認められなければ、代車費用は認められません。

 具体的に、使用目的に応じての代車の必要性、公共交通機関での代替可能性などで判断されます。

 

②期間の相当性

 修理又は買い替えに必要な期間に限り、認められます。一般的には修理であれば1~2週間程度、買い替えであれば1月程度が目安とされています。

 

③費用の相当性

 代車の使用目的などにもよりますが、事故に遭った車両と同程度の車両を借りるのに必要な費用が請求可能とされます。国産車であれば5000円~2万円、外車であれば1万5000円~3万円程度が目安とされます。

 

さいごに

 代車は、実際に使用した場合に請求することができます。使用する前に、どの程度であれば問題なく請求できるのか、弁護士に一度ご相談されることをお勧めします。なお、

【コラム】過失割合とは?

2020-02-21

過失割合とは文字通り加害者と被害者の過失の割合です。

例えば、一般道で赤信号で停止していた乗用車に後続の乗用車が追突した、場合はほとんどの場合加害者にすべての責任があることになります。この場合は、過失割合は100:0です。

一方、信号のない交差点で出合い頭に衝突した、駐車場から道路に出ようとした自動車が道路を走ってきた別の自動車と衝突した、というような場合は、多くの場合、双方に過失があることになります。その割合を過失割合と言います。過失があるとされると、被害者側にとって問題なのは以下の2点です。すなわち、

・請求できる損害賠償の金額が減ってしまう

・相手方の損害に対する補償もしないといけなくなる

ということです。つまりは、もらえる慰謝料や逸失利益などの金額が減ってしまうのみならず、相手方の損害についての賠償もしないといけなくなるのです。なお、実際は双方の請求を相殺するケースが多いです。

 また、損害賠償ですが、注意が必要なのは、慰謝料や逸失利益だけではなく治療費についても過失相殺がされるため、当初、相手方保険会社が治療費を支払っていてくれた場合、その自己負担分についても示談の時に清算することになり、慰謝料などから差し引かれるため、支払ってもらえる金額がかなり少なくなることもあるという点です。もし、自由診療で行っていると単価が高くなりがちであり、結果として負担が大きくなりかねないので、過失がある場合は、健康保険の利用も検討したほうが良いでしょう。

このように、過失割合については被害者にとって重要な意味があります。過失割合について疑問や納得がいかない点がある場合は、まずは交通事故案件を扱っている弁護士にご相談ください。

【コラム】加害者に資力がなくても諦めずに!!

2020-02-18

交通事故で加害者が任意保険に入っていない場合、原則として加害者本人に治療費や慰謝料、事案により休業損害や逸失利益、などを請求することになります。

この場合に、加害者本人がお金を持っていなければ諦めるしかないのでしょうか? 実際、任意保険に入っていないケースというのは加害者側の家計に余裕がないケースが多いことが推測されますが、そういう場合、被害者は補償を得ることが難しいのでしょうか?

実は、必ずしもそうとは限りません。

まず、自賠責は加入義務があるので、ほとんどのケース介入しているはずです。そこで、自賠責に支払いを求めることが考えられます。

もっとも、自賠責は慰謝料などの基準が低いし、上限もあります。そこで、自賠責で不足する分は原則は加害者本人に請求するのですが、

・加害者が業務上運転していて起こした事故の場合は、通常、雇い主(会社など)に対して使用者責任を問うことができます。

また、

・加害者が車の所有者ではなかった場合は、多くの場合、所有者に対して運行供用者責任を問うことができます。

(ただし、盗まれた場合などは所有者は責任を負わないのが一般的だと考えられます)

また、上記の責任は競合する(どちらの理論構成でも請求できる)場合もあります。

このように、加害者が任意保険に入っていなくても多くの場合は補償を受ける方法があります。ただ、それが十分なものになるかどうかはケースによりますが、あきらめずに道を探ることが大事だといえます。また、加害者本人が一括で払えない場合も弁護士が代理人として交渉したり裁判を起こしたりして分割での支払いでの合意ができる場合もあります。その際に債務名義として残しておけば(執行認諾文言のある公正証書、裁判上の和解による調書など)、支払いが滞った場合には相手方の資産(例えば給与債権)に対して差し押さえをすることも可能です。(ただ、相手方の勤め先が不明、変わってしまった、資産も特にない、というような場合に事実上難しい場合はあります)

このように、任意保険に入っていない車による事故で負傷した場合にも補償を得る様々な方法がありますので、まずは弁護士にご相談ください。

当事務所でも、そのような案件を扱った経験があり、ご相談をお待ちしております。

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