交通死亡事故の時効にご注意

交通事故の損害賠償請求にも消滅時効があります。消滅時効とは一定の期間を経過し、時効援用がされた場合には、その権利は消滅するというものです。

こちらは被害者なのに時効なんて、というお気持ちはもっともなところなのですが、法律の規定上、どうしても時効の問題が出てしまいます。

以下では、交通事故の時効について、起算点や期間をご紹介します。

 

〈起算点と期間〉

交通事故の損害賠償請求権は、民法上、不法行為に基づく損害賠償請求権(民法709条)というものに該当します。

そして、不法行為に基づく損害賠償請求権の時効は、「損害及び加害者を知った時」から3年間行使しなければ時効によって消滅すると規定されていました(改正前民法724条前段、自賠法4条)。令和2年4月施行の改正民法では、人身損害については、時効が5年となりました。(物損部分はそのままであることに注意)

そして、これは、一般的な交通事故だけでなく、死亡事故においても同様にあてはまります。

事案によっては、加害者が誰であるか判明せず、権利行使ができないということもありますが、基本的には事故時から起算されるのが通常です。また、実際には、事故日から権利を行使することは難しいため(通院が終了しないと損害額が確定しないため)、傷害事故の場合は、症状固定日を起算日とすることもありますが、死亡事故の場合は、残念ながら、被害者の方が即死されてしまうこともあるため、事故時から時効期間がスタートすると考えておいたほうが安全でしょう。

  • 時効中断(改正法では「更新」)といって、一定の場合には、消滅時効の期間が途中で中断(同)し、そこから時効期間が再度開始することがあります。

代表的なものは訴訟の提起ですが、内容次第で保険会社からの賠償額の提示(日付入りのもの)、債務を承認する書類等があると時効中断(改正法では「更新」)となる場合もあります。しかし、それらの書面は内容によっては中断(更新)事由とならない場合もあるので、注意しましょう。

消滅時効が完成すると(厳密には、時効期間が経過し、時効援用という手続が必要なので、時効援用されない限りは請求することができますが、時効を援用するかどうかは加害者本人の意向次第です。)、加害者本人はもちろん保険会社にも一切請求することができなくなります。

死亡事故の場合、事故がご遺族の方に与える影響は甚大なものであり、しばらく何も手につかないということもあるでしょう。

しかし、そのままにしてしまうと、その間に時効期間が経過してしまうということにもなりかねません。当事務所にご依頼いただければ、手続的な負担や、法律的な争点についての検討は全て弁護士が進めさせていただきます。

ご遺族の方は、大変な苦しみを感じることになると思いますが、精神的な負担を減らしつつ、早期に解決し、または適切な中断(更新)措置をとって時効を気にせず手続を進めるため、ぜひ一度、当事務所にご相談下さい。

交通事故のご相談は、経験豊富な弁護士へ!

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