Archive for the ‘未分類’ Category

【コラム】交通事故の損害賠償請求のタイミング

2024-04-22

交通事故の損害賠償請求とは?

交通事故の被害に遭った場合、治療費、通院交通費、入院雑費、入通院慰謝料、休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益、など様々な損害について請求できます。また、物損については車の修理代(ただし全損の場合は車の経済的価値)、代車費用、評価損、などが請求できます。ただ、上記のどの項目を請求できるかは、実際に生じた被害に基づいて決まってきます。

また、上記のうち治療費は相手方任意保険会社が直接医療機関に支払う場合も多いですが、計算上損害賠償の一部とされるので、被害者側にも過失がある場合には最終的に過失相殺対象となってしまいます。

どのタイミングで請求するか?

上記のように様々な項目があるわけですが、それぞれいつ請求するのでしょうか?

まず、物損については損害が明らかになれば請求できるため、比較的早い段階で請求することが多いです。人身に先んじて物損だけ示談することも珍しくありません。ただ、ここでの過失割合についての合意が後々人身の過失割合の評価に影響することもありうるので、注意が必要です。

次に、人身傷害のうち、治療費は相手方保険会社が医療機関に直接払うケースが多く(これを「任意一括」といいます)、その場合は特別な手続きは必要ありません。ただ、数か月程度で打ち切りを伝えられる場合もあり、その場合は継続のために交渉するか、自費(健康保険は「第三者行為による傷病届」を出せば使えます)で支払って治療終了後に相手方保険会社に請求することになります。

通院交通費は公共交通機関を使う場合は自費で払って症状固定後に請求する場合が多いですが、タクシー代は自己負担だと家計に影響が大きいので、支出後すぐに請求する場合も多いです。ただし、使った証拠が必要で、かつ、必要性が認められないと支払ってもらえません。

また、休業損害については、生活に必要な補償なので、治療中でも月1回など定期的に振り込んでもらうケースも多いです。ただ、この段階では最終的な過失割合も決まっておらず、また、相手方保険会社から見ると事故と休業の因果関係についても精査せずにとりあえず支払っているという考えがあり、しばらくした段階で打ち切りを伝えてくるケースも多いです。その場合、継続を求めて交渉しても応じてもらえなければ、残額は別途症状固定後に交渉して支払ってもらうことが考えられます。

入通院慰謝料は、怪我そのものに対する慰謝料であり、障害慰謝料とも言いますが、その請求は通常は症状固定後にします。なぜなら、入院や通院の期間に応じて金額が決まるため、症状固定を待たないと金額が確定できないからです。なお、後遺障害の等級認定を求める場合は、入通院慰謝料についても等級認定の結果をみてからまとめて交渉するのが一般的です。

後遺障害慰謝料と逸失利益は、症状固定後に残った症状に対する補償なので、症状固定後してからの請求となります。症状固定後であるのはもちろん、後遺障害等級認定がされてから請求するのが一般的です。もっとも、自賠責の等級認定がされなくても理論的には請求できる場合もあるのですが、任意交渉では等級認定後でないとまず支払ってもらえません。そこで、被害者請求等で自賠責の等級認定を得て、それからその等級に従った後遺障害慰謝料と、その等級に応じた労働能力喪失率で計算した逸失利益を請求するのが通常の手順です。

このように、補償の項目により、交渉の時期は異なってきます。なお、交渉しても合意に至らない場合は、民事訴訟で解決するという方法もあります。訴訟は症状固定後、(後遺障害認定を求める場合は)後遺障害等級認定が終わってから交渉して、それでも合意に至らない場合に行うというのが基本です。ただし、等級認定を巡る手続きが長期化した場合に時効の完成を防ぐために後遺障害と関係ない部分について先に提訴することは理論的には考えられるでしょう。ただ、それは例外的で、通常は、等級認定まで終わってから交渉がうまくいかなかった場合に、訴訟へ進むということになります。

ちなみに、物損は3年、人身は5年で時効にかかってしまうので、治療や交渉が長引いている場合は注意が必要です。後遺障害については症状固定日が起算点ですが、症状固定日自体が争点になりうるので要注意です。

自賠責への被害者請求

自賠責への被害者請求は治療途中でも可能であり、慰謝料なども自賠責の基準に従って支払ってくれるので、治療が終わるまで待っていると家計が厳しいという場合には自賠責への被害者請求を治療中に行うことも考えるとよいでしょう。その場合でも終了後に改めて後遺障害等級認定を求めて被害者請求をすることが可能です。

まずは弁護士にご相談を

このように、交通事故の損害賠償請求は、最後にまとめて行うこともできますが、治療中に休業損害や通院交通費等、また、治療費の打ち切り等について相手方保険会社と交渉することもあります。そのような点も含めて、早いうちから法律の専門家の力を借りたい場合は、ぜひ、弁護士にご相談ください。

当事務所では、長年交通事故の被害者救済のために業務を行ってきました。交通事故のことで悩んでおられる方は、ぜひ、ご相談ください。当事務所では、交通事故については相談だけなら無料です。まずは、お電話か電子メールでご予約の上、立川の当事務所までご来訪をお願いします。なお、事故による負傷等ですぐに来訪が難しい場合はまずはお電話などで相談対応させていただくことも可能です。

【コラム】労災保険を使った場合における事故の加害者側への請求

2024-04-08

1, 交通事故における労災保険の使用

労災保険は、業務上の事由や通勤中に負傷した場合に補償がされる公的な保険です。労災は上記のように業務上の事由や通勤中の負傷について補償する保険なので、交通事故の場合も要件を満たせば使えます。
労災保険は、治療費や休業損害などを支払ってくれます。ただし、休業損害は計算上の額の6割及び特別支給金2割の支給であり、満額ではない点に注意が必要です。また、後遺障害の認定がされると、逸失利益についても一定の範囲内で補償がされます。
労災保険の場合過失相殺がされないので、被害者側にも過失がある場合には労災を用いるメリットは一般に大きいといえるでしょう。

2, 労災保険で補償されないもの

労災保険では精神的損害については補償されません。つまり、労災保険からは慰謝料は支払われないのです。また、休業損害や逸失利益も全額が補償されるわけではありません。そこで、充分な補償を受けるためには不足分を加害者側に請求する必要があります。
なお、ここで、休業損害は損害の6割の分は相手方への請求から差し引く必要がありますが、特別支給金である2割の部分は差し引く必要はありません。

3, 労災保険による後遺障害等級認定

労災保険により後遺障害等級認定をしてもらうこともできます。それにより、逸失利益の補償が労災の基準に基づいて行われます。ただし、労災の認定した等級を基に相手方保険会社に請求してもそのまま認めてもらえるとは限りません。自賠責の認定より緩やかに認定される傾向がある代わりに保険会社との交渉では根拠としては必ずしも十分ではなく、訴訟においても自賠責の認定ほど重視されない傾向があるように思います。 
とはいえ、認定を受けられれば労災保険から逸失利益を支給してもらえるというメリットがあるので、認定を受けられそうな場合はぜひ申請するとよいでしょう。

4, 労災を使用した場合でも弁護士にご相談を

労災を使用した場合でも、慰謝料など、労災保険から支給されない分の交渉については、ぜひ、弁護士にご相談ください。労災保険からの支給分を差し引く以外は、基本的に他の場合と同様、加害者側に対して請求をしていくことになります。それゆえ、相手方保険会社等との交渉や訴訟については、ぜひ、弁護士にご相談いただければ、と思います。また、労災で後遺障害等級認定を得た場合でも自賠責に対して重ねて後遺障害の等級認定を求めることもできるので、自賠責保険に対する被害者請求についても弁護士にご相談ください。ご依頼の場合は、自賠責への請求の後の相手方保険会社との交渉も引き続き弁護士が担当させていただきます。
当事務所では労災を利用した事案についても多くご相談、ご依頼を受けてきました。労災は使用したけれどもそれ以外の補償をどのようにして請求すればよいかわからないという方は、ぜひ、当事務所にご相談いただければ、と思います。

【コラム】事故直後に弁護士に依頼するメリット

2024-03-25

1.交通事故直後のご相談

交通事故にあったら、まずは警察への通報、怪我をしていたら程度により救急車を呼ぶ、あるいは自力で病院に行く、など至急しないといけないことがあります。では、その後、何をすればよいでしょうか? 

おそらく、これから何をしたらよいのか、加害者や相手方の保険会社と何を話したらいいのか、治療費はどうなるのか、仕事を休まざるを得なかったら補償してもらえるのか、自賠責は関係あるのか、車の修理代はどうなるのか、後遺症が残ったらどうなるのか、など様々なことがわからず、不安ではないでしょうか? そこで皆様にお勧めしたいのが弁護士への相談です。

2.事故直後に相談するメリット

交通事故について、保険会社との交渉がうまくいかなくなった段階でご相談に来られる方も多くおられます。その段階での相談ももちろん可能ですが、事故の直後に相談するメリットもあります。

今後の流れについて弁護士から説明を受けることができること。また、わからない場合に質問することもできること

初めて交通事故に遭った場合、相手方保険会社との交渉やその他の手続きがどのように進んでいくのかわからないことも多いと思います。その点、交通事故案件を多く扱っている弁護士から説明を受けたり質問したりすれば、今後の流れがおおよそわかり、どの段階で何をすればよいのかを理解することができます。流れを知ればある程度安心できるでしょうし、また、各段階で適切な対応を取っておくことが、その後の損害賠償請求において重要になってくることもあります。例えば、どの程度通院したらよいか、整形外科と整骨院の違い、等についても、あらかじめ知識を得ておいたほうが良いと思います。

交通事故の補償の仕組みについて弁護士から説明を受けることができること。また、わからない場合に質問することもできること

交通事故の損害賠償請求については、そもそも誰に請求するのか、相手方本人だけなのか、仕事中の事故なら相手方の会社に請求できるのか、相手方保険会社が払ってくれるのか、自分が加入している保険会社による支払との関係はどうなるのか、など、わからないことがたくさんあると思います。

また、入通院慰謝料、休業損害、通院交通費、入院雑費、後遺障害慰謝料、逸失利益、など案件により様々な項目を請求できますが、初めて事故に遭った方にはこのような項目の意味自体、分かりにくいと思います。

このような、一般の方にはわかりにくいことも弁護士から説明を受けることができるのがメリットです。

3.事故直後に弁護士に依頼するメリット

上記のように弁護士に相談することもメリットがありますが、さらに依頼した場合はどういうメリットがあるでしょうか?

物損についても弁護士が代理人として交渉することができる

物損については事故直後から交渉が行われることが多いです。そこで、早期に弁護士を代理人として選任することにより弁護士に交渉を委ねることができるのはメリットといえるでしょう。

休業損害についても弁護士が代理人として交渉することができる

事故により休業せざるを得ない場合、生活費の不足を防ぐために速やかに休業損害の請求をしたいという方も多いです。そういう場合、弁護士にご依頼いただければ代理人として相手方保険会社と交渉いたします。

通院期間の途中でも弁護士からアドバイスを受けられる

いつまで通院してよいのか、どの時点で後遺障害診断書を書いてもらえばよいのか、など治療継続に関する話も弁護士と協議することができます。

治療費打ち切りを言われた際に弁護士が交渉できる

相手方保険会社から医療機関に対して治療費を直接支払ってもらえる場合があります。これを任意一括対応といいますが、この一括対応についてはある程度期間がたつと保険会社側から打ち切りたいと伝えてくる場合があります。弁護士に依頼している場合は、このような場合にも弁護士が代理人として対応します。もっとも、弁護士が付いていれば一括対応による治療を延長できるとは限りませんが、ある程度延長できる場合もあります。

自賠責への被害者請求の代理も依頼できる

相手方(任意保険会社)への慰謝料等の請求は基本的に症状固定後となりますが、早めに一部でも補償してもらいたい場合、自賠責への被害者請求という方法があります。これについても、弁護士に依頼している場合は弁護士が代理人として行うことができます。

もちろん、その後に後遺障害について被害者請求を行う場合も、弁護士は代理人として行うことができます。

継続的に相談できる

依頼していると、時には電話やメールを使う等して、依頼後解決まで、気楽に相談ができます。この点、ご依頼いただいていない場合は、余裕があれば再相談は可能ですが、原則ご来訪の必要があることとなり、また、ご依頼いただいていないと途中の経過を把握できないので、弁護士も回答が難しい場合も多くなります。

その点、ご依頼いただいていれば優先的にご相談が可能ですし、資料をいただき(相手方に保険会社が付いている場合は弁護士は依頼を受けていると相手方保険会社から各種資料を取り寄せます)、途中の経過も含めて密にご連絡を取っていれば、弁護士も状況を把握しやすいので、ご相談いただいた際に回答しやすいというメリットもあります。

4.まとめ

以上のように、早めに弁護士にご相談、ご依頼いただくことには様々なメリットがあります。また、弁護士費用に関しても当事務所の基準では早めにご依頼いただくことで増えることは基本的にないので、早めのご依頼もご検討いただければ、と思います。

弁護士特約ご利用の場合は各保険会社の基準に寄ります。

当事務所では、事故直後からの依頼も歓迎します。

当事務所では、これまで、交通事故被害者からのご相談、ご依頼を多く受けてきました。交通事故については、交渉、後遺障害の申請(被害者請求)及び異議申し立て、訴訟、など各手続きについて代理人としての業務を行ってきた経験があります。交通事故の被害に遭ってしまい不安な方は、まずはご相談ください。

ご相談ご希望の方は、まずはお電話か電子メールでご予約の上、立川の当事務所までご来訪をお願いします。

なお、事故による負傷等の理由ですぐにはご来訪が難しい場合は、まずはお電話等でのご相談も可能です(ただし、時間帯の予約は必要です。また、電話相談が可能かどうかは、ご来訪が難しい理由等にもよります)。相談だけなら無料なので、ご気楽にご相談ください。

【コラム】交通事故の損害賠償請求(人身)で争点になりやすいこと

2024-02-26

交通事故被害の損害賠償の概要

交通事故の被害に遭うと、相手方本人に対して損害賠償を請求できますが、相手方に任意保険会社が付いていると、多くの場合、任意保険会社が代わりに交渉や支払いをします。(その他、労働関係における使用者や、加害者側の自動車の所有者に請求できる場合もあります)

その際には、人身損害としては、事故の損害に応じて、入通院慰謝料、休業損害、通院交通費、後遺障害慰謝料、逸失利益などの請求が可能です。ただ、必ず被害者の請求通りに支払ってもらえるわけではなく、相手方ないしその保険会社から反論を受けて争点となる場合があります。今回は、そのような争点になりやすい点について解説していきます。

治療期間について

以前にも解説しましたが、治療期間について争われることはよくあります。すなわち、事故による被害の治療として因果関係がある治療期間はいつまでか、ということが問題となります。ここで、症状固定という概念が重要となります。これは、これ以上治療を続けても症状が改善しなくなった時点を指し、それ以後は治療期間に含まれません。

治療期間が重要な理由は、2点あり、1点は、治療期間として認められた期間については治療費を請求できること、もう1点は、治療期間として認められた期間について入通院慰謝料を請求できること、です。

逆に言えば、症状固定後の治療費は原則自己負担となり(健康保険を使うことは手続きを踏めば可能)、慰謝料計算の期間にも参入されないことになります。

それゆえ、いつまでが治療期間か、ということは争点となることがよくあります。通院した期間が長い場合、特に途中から症状の改善が乏しい場合には、ある時点以後は因果関係がないという主張されることが多いです。そのような場合、被害者側の代理人は診療録(カルテ)などを根拠に反論していくことになります。

休業損害

休業損害についても、争われるケースが多いです。事故が原因で仕事を休んだ場合、それによる減収分(及び有給使用分)を加害者側に請求できますが、休業の必要性が問題となるケースが多々あります。すなわち、負傷の程度や回復具合に照らして休業期間の一部または全部について本来休む必要がなかったと主張されることがあります。

それ以外に、特に自営業の場合等には基礎収入の額や休業の事実について争われることも多いです。すなわち、自営業の場合は前年の確定申告をもとに基礎収入を計算するが一般的で、これに従った計算であれば通ることが多いのですが、売り上げの増加を反映させたい場合やそもそも申告が過少であった場合に実際の額で主張したいなど、上記と異なる方法で基礎収入を計算して主張すると、反論が出てくることが多いです。また、休業期間についても企業等に雇用されている場合と比べて立証が難しいという問題があります。また、休業の事実が認められても休業の必要性が問題になりうる点は同様です。

このように、休業損害は必ずしも主張通り認められるとは限りませんが、しかし、休みが長期の場合には金額も大きくなりがちであり、また、事故による生活への影響を補償する重要な制度なので、損害があった場合はしっかり主張することが重要だと思います。なお、負傷により身体的に就労できない日があった場合の他、通院のための欠勤・遅刻・早退でも認められることもあります。

なお、争われた場合には、当時の症状をカルテ等で立証しつつ、仕事の内容も含めて主張、立証して反論していくこととなります。

逸失利益

逸失利益は、後遺障害が残った場合において、症状固定後における就労能力低下による収入の低下のことを指します。14級なら5%、12級なら14%、等、後遺障害の等級に応じて労働能力喪失率の目安が定められています。労働能力喪失の率自体が争われることもなくもないですが、よく争われるのは期間です。すなわち、67歳まで、というのが原則ですが、むち打ちの場合にはより短い期間しか認められないことが多く、その際に、3年か5年か、ということはよく争点となります。被害者側としては基本的に5年で主張したいところですが、3年に限定する主張が加害者側から出てくることは珍しくないです。

その他、実際の減収がないということで認めない、あるいは一部しか認めない、というような主張がされることもあり、それに対しては、減収がないのは本人の努力によるものであるという反論が考えれます。

また、醜状障害について仕事内容を考えると影響がないはずという主張もよくありますが、これについては将来影響がある仕事に就く可能性もあるという反論が考えられます。

後遺障害慰謝料も比較的金額が大きくなりがちな項目であり、納得がいかない場合は、まずは交通事故に詳しい弁護士に相談して、妥当性について相談するとよいでしょう。

交通費

通院にかかった交通費も加害者側に請求できるのが基本です。それゆえ、合理的なルートであれば、鉄道やバスの運賃について争われることはあまりないです。自家用車のガソリン代(1km15円で計算)

しかし、タクシー代については、必要性が争われることも多いです。すなわち、電車やバスで通えたはずなので敢えてタクシーを使う必要はなかったという主張がされることがあります。これに対しては、怪我の程度や当時の症状などを主張、立証して反論していくこととなります。

過失割合

過失割合についても、争われることがあります。もっとも、一般道における追突の場合はほとんどの場合10:0で通りますし、それ以外の場合でも判例タイムズや赤い本にパターン別の基本的な過失割合と修正要素が出ているので、やみくもに争点化されるわけではありません。争われるのは事実認定の点が多いように思います。ただ、事実関係には基本的に争いがなくても、どちらに何割の過失があるかという評価をめぐって争点となることもあります。

最後に

このように、交通事故の損害賠償請求については、様々な点で加害者側の保険会社等に争われることがあります。そのような場合に被害者が充分な補償を受けるためには、専門的見地からの主張、立証が必要ですので、まずは弁護士にご相談ください。弁護士に御依頼の場合は、弁護士が知識や経験を生かして、代理人として交渉や訴訟を行っていきます。

当事務所では、交通事故の被害者側については相談だけなら無料、また、ご依頼の場合も着手金不要となっています。弁護士特約をご利用してのご依頼も歓迎します(なお、弁護士特約を使えるかどうかは、念のため、ご加入の保険会社に確認しておくことをお勧めします。なお、弁護士特約利用時の報酬基準は原則として保険会社の基準に合わせることとします)。

ご相談ご希望の方は、まずはお電話か電子メールでご予約ください。平日夜や日曜日の相談も可能です。

【コラム】交通事故被害者は労災で救済されるか?

2023-06-09

1, 交通事故被害者が労災から支給を受けることができる場合

労災から支給を受けるためには業務上の災害により負傷したことが必要です。この点、私的な目的で移動中に事故に遭った場合は業務上の災害ではないので、労災から支給を受けることはできません。
一方、仕事中や通勤中に交通事故に遭った場合は、労災から支給を受けられる可能性があります。

2, 労災から支給されるもの、支給されないもの

労災はあくまで労働者の救済が目的です。そこで、交通事故の被害による損害のすべてを補償してくれるわけではありません。具体的には、治療費、休業損害、後遺障害がある場合の逸失利益、については補償がされますが、慰謝料は支給されません。それゆえ、慰謝料については加害者側に請求する必要があります。
また、休業損害は全額が出るわけではなく、元の給与の6割とされています(それ以外に特別支援金として2割が支給されるので実質8割もらえます)。逸失利益についても、労災からの支給は不十分であることが多く、それを超える部分は加害者側に請求することとなります。なお、7級かそれより重い等級の場合、労災からは年金方式で補償されるところ、相手方からの支給とは調整が行われます。

3, 労災の等級認定と自賠責の等級認定

労災も自賠責も建前としては等級認定の基準は同じとされています。しかし、実際には、違う等級が認定されることがあります。一般には、労災のほうが重い等級が認定される傾向があるといわれており、これは労災は労働者の救済を重視しているからだと考えられます。ただ、まれに、自賠責のほうが重い等級が認定されるケースもあるようです。異なる機関が認定するので、時には違いが出るのはやむを得ないでしょう。

4, 訴訟になった場合の自賠責の認定と労災の認定の違い

訴訟になった場合、自賠責の等級認定はそのまま裁判所にも認定してもらえる場合が多いです。例えば、自賠責で後遺障害14級とされたら裁判でも「赤い本」に従って14級の後遺障害慰謝料と、逸失利益が認定される場合が多いです。
一方、労災については、労働者救済のために緩やかに認定されていることは裁判所も理解しているので、必ずしもそのまま通用するとは限りません。しかし、後遺障害を認めるうえで有利な事実の一つとして労災の等級が挙げられる場合もあるので、労災の認定が訴訟で請求していく際に無意味というわけではありません。自賠責の等級が取れなかった場合でも労災の等級認定をとれたのであれば、訴訟をする場合は、主張の根拠として労災の等級認定の事実も主張するとよいでしょう。

5, まずは弁護士にご相談を

仕事中や通勤途中に交通事故に遭った場合、労災保険は心強い味方になりえます。しかし、労災だけでは不十分なのも事実です。なぜなら、労災は慰謝料を支払わないし、休業損害も満額は支給されないなど、必ずしも損害のすべてを補償する仕組みにはなっていないからです。そこで、不足分は原則として加害者に請求することとなるのですが、被害者の方本人で加害者や加害者側の保険会社と交渉することは、負担が大きいうえに、専門的知識の差で不利な示談を強いられることになりかねません。そこで、労災を利用できる場合であるか否かにかかわらず、交通事故の被害者の方には弁護士への相談をお勧めします。
弁護士に依頼すれば、交渉や訴訟は弁護士が代理人として行うので、ご本人様が相手方保険会社と直接やり取りする必要はなくなり、ご自身の精神的ご負担が軽くなるだけではなく、弁護士が専門的知識をもって交渉や訴訟に当たるため、法に従った充分な補償を受けることができると考えられます。特に、慰謝料については、「赤い本」に基づいた充分な補償を受けるためには、専門的知識に基づいた交渉が不可欠です。交通事故の被害に遭われた方は、ぜひ、弁護士にご相談ください。当事務所では、交通事故案件に力を入れており、これまで多くの案件を扱ってきました。もちろん、被害者が労災からも給付を受けていた案件も多く扱っています。
交通事故に関しては、相談料は無料なので、まずは、ご相談いただければ、と思います。ご相談ご希望の方は、お電話か電子メールでご予約の上、立川の事務所にご来訪をお願いします。
なお、事故による負傷等の理由でご来訪が難しい場合、内容や事務所からの距離によっては出張相談ができる場合もあるので、お問い合わせください

【コラム】非接触事故について 

2023-04-20

非接触事故とは?

交通事故において、加害者の車等とは衝突はしていないけれども加害者の車等の挙動が原因で負傷などの損害が生じたとされる場合があります。これを非接触事故といいます。

他の車の直前に割り込んだために割り込まれた車が避けるために進路を変更してガードレール等にぶつかった場合や、割り込みに対応して急ブレーキをかけざるを得ず、結果、乗っていた人が負傷した場合などが挙げられます。あるいは、オートバイの場合、衝突を避けるために急ハンドルを切ったら転倒した、など他車の運転が原因で転倒が生じて負傷したケースもあります。また、車と車に限らず、歩行者が自動車やオートバイの直前を横断したことで事故を誘発した場合も、同様です。

非接触事故における損害賠償請求

非接触事故でも損害賠償請求は可能でしょうか? 実のところ、損害が発生して、因果関係を示すことができれば、可能だと考えられます。すなわち、事故により負傷をしたこと、および、その原因が加害者の行動にあること、を示せれば、民法上、損害賠償請求が可能です。負傷の事実と、事故と負傷の因果関係が立証できれば、損害賠償請求の内容は一般の事故と同じです。個々の事情に応じて、治療費、慰謝料、休業損害、など各項目について加害者に請求していくことになります。

非接触事故で争点となりやすい点

非接触事故では負傷の有無、因果関係が問題とされやすいところです。すなわち、接触もしていないのだから衝撃はほとんどないはずなのに負傷をするのはおかしいという争い方をされることがあり、特に、相手方の車のみならず他の物との衝突もない事案ではそのような争い方をされる恐れが強いです。また、仮に負傷をしたとしてもそもそも相手方の車の運転が原因で急停車などの負傷の原因となる行為が生じたわけではないという争い方をされる場合があります。

たしかに、実際に衝突が生じた場合と比べると立証が難しいケースもありますが、裁判例を見ると、請求が認められたケースもあります。例えば、東京高裁平成30年8月8日(判タ1455号61頁~67頁)、さいたま地判平成30年5月31日、等は、非接触事故で負傷の事実及び因果関係を認定しています。

非接触事故でもまずは警察に届けを

非接触事故でも、事故である以上、警察への通報、負傷者の救護、が必要です(道路交通法72条1項)。また、警察に届けないと、事故証明も発行されず、加害者の責任を追及することが難しくなってしまいますので、その意味からも、警察への届け出は重要です。

非接触事故についての相談

非接触事故の被害に遭い、相手方保険会社等の対応に納得がいかない場合は、ぜひ、弁護士にご相談ください。弁護士は事件の依頼を受けた場合、代理人として相手方保険会社等と交渉をしたり、場合によっては訴訟を行ったりすることができます。非接触事故については保険会社との交渉が難航することが多いと思いますので、ぜひ、弁護士にご相談いただければ、と思います。

【コラム】相手方に任意保険会社が付いていない場合

2023-04-20

任意保険会社が付いているとき

交通事故に遭ったとき、相手方に任意保険会社が付いていれば、その保険会社と示談交渉をするのが一般的です。なぜなら、任意保険には多くの場合、示談代行サービスが付いていて、加害者の代わりに被害者に対する補償について交渉する権限を持っているからです。弁護士に依頼した場合も、弁護士はまず相手方の任意保険会社と交渉するのが基本的な進め方となります。

任意保険会社が付いていないとき

では、加害者が任意保険に入っていない場合はどうすればよいでしょうか? その場合、まず、考えられるのは、加害者本人に直接交渉することです。もし、加害者本人に十分な資力があれば、これにより解決できる可能性も高いでしょう。
しかし、任意保険に入っていない場合、経済的にも余裕がないケースが多く、加害者本人が十分な賠償をできるとは限りません。その場合、どうすればよいでしょうか?

1, 加害者が業務中に起こした事故であれば使用者に請求する

もし、加害者が業務中に起こした事故であれば、使用者(会社など)に使用者責任を問うことが考えられます。この場合、使用者が保険に加入していれば、その保険から支払われることも期待できます。

2, 運行供用者責任を検討する

もし、加害者がほかの人の車を借りて運転していた場合は、貸していた側に対して運行供用者責任を追及できる可能性があります。ただし、人身損害に関してのみ、当てはまります

3, 上記1,2が難しい場合

しかし、使用者責任や運行供用者責任を追及できるケースは限られてきます。その場合、被害者はどうすればよいのでしょうか? まず、自賠責に被害者請求をすることが考えられます。任意保険に入っていなくても自賠責は入っているはずなので(入っていないと違法になってしまいます)、加害者の自賠責保険に被害者として請求をすることが考えられます。これを被害者請求といい、加害者の自賠責保険会社から書式を取り寄せ、必要な資料を集めて、同自賠責保険会社に提出することで、行うことができます。
ただ、自賠責保険は人身損害にしか使えず、また、金額的にも必ずしも満足をいく額にならないことが多いため、不足分と物損については加害者本人に請求することになります。
なお、自賠責保険では後遺障害の等級認定も可能なので、後遺障害があると考えられる場合は、特に、自賠責への被害者請求は重要になってきます。

まとめ

加害者が任意保険に入っていない場合でも、様々な工夫で、ある程度補償を受けることができるケースが多いです。加害者本人との交渉は一般の方には負担が重いと思いますが、当事務所の弁護士はそのようなケースについても経験を積んでいますので、ぜひ、ご相談ください。

【コラム】同乗者についても同じ弁護士に依頼できるか?

2023-01-30

交通事故の被害者に同乗者がいる場合

 交通事故の被害者の車に同乗者がいた場合、その同乗者も加害者に慰謝料などの損害賠償請求ができます。この場合、追突など過失割合が10:0の場合は、そのまま加害者に請求すれば問題ありません。(追突でも例外的に被害者側にも過失がある場合は別途検討が必要です)

 では、9:1、など、被害者側にも過失がある場合は、いかがでしょうか? この場合、同乗者の方は、過失割合に応じて加害者と被害者側の運転者に請求しても良いのですが、実は、全額をいずれかに請求することができます。なぜなら、双方に過失がある場合、双方の運転者は被害者に対して不真正連帯債務を負うと解されているからです。

 なお、片方が全額を支払った場合は、支払った方は、過失割合に基づいてもう片方に求償の請求ができると解されます。したがって、公平は保たれると考えられます。

 

同乗者も同じ弁護士に依頼できるか?

 では、被害者の車に同乗者がいた場合、同乗者も被害者(被害車両の運転手)とともに同じ弁護士に依頼して加害者に損害賠償請求をすることができるでしょうか?

 実は、ここで、場合により、同じ弁護士への依頼が難しい場合があります。まず、被害者側に過失がない場合は問題ありません。例えば、追突された車に複数の人が乗っていた場合、弁護士はその全員から依頼を受けることもできます。

また、被害者側の運転者にも過失がある場合でも、同乗者が家族の場合は基本的に問題ありません。しかし、家族以外の場合、いずれ、同乗者から運転者へ損害賠償請求をすることになる可能性があります。前述の通り、同乗者は双方の運転者のいずれに対して請求しても良いのですから、被害者の側の運転者に請求することも考えられます。また、加害者側に請求して加害者が求償権を行使して被害者側の運転者に請求すれば、やはり、被害者側の運転者の不利益になります。そうすると、被害者側の運転者から依頼を受けている弁護士から見ると、自分の依頼者と利害関係が対立するとも考えられます。いわゆる利益相反です。そこで、このような場合、被害者車両の運転者と同乗者の両方から同じ弁護士が依頼を受けることは難しくなってしまいます。このような場合は、同乗者の方は他の弁護士に依頼することが望ましいと言えます。

 

同じ弁護士に依頼できる場合・できない場合(まとめ)

以上をまとめると、

被害者に過失がない場合・・・同じ弁護士に依頼できる

被害者に過失はあるが同乗者が家族の場合・・・原則として同じ弁護士に依頼できる

被害者に過失があり同乗者が知人や友人の場合・・・原則として同じ弁護士に依頼できない

となります。なお、これは原則であり、例外もありますので、まずは弁護士にご相談ください。

【コラム】後遺障害がない場合に依頼して費用で損をしませんか?

2021-12-09

1,交通事故の補償の決まり方

 交通事故の補償は、

・入通院慰謝料

・休業損害

・通院交通費

・文書代

・入院雑費

・付添い費

など後遺障害がなくても発生する(どの項目が発生するかは案件に寄りますが)ものと、

・後遺障害慰謝料

・逸失利益

など後遺障害がないと発生しないものに分かれます。

 

2,後遺障害がない場合の補償の金額

 後遺障害がない案件でも、補償の額は怪我の程度などにより異なります。慰謝料は基本的に入院や通院期間が長いほど多くなりますが、怪我の程度により基準となる表が異なります(2種類あります)。また、通院だけより入院がある方が多くなります。休業損害は基礎収入(事故前の収入)と休業期間により決まります。

 後遺障害がなくても、それなりに金額が多くなることはあり、例えば、赤い本Ⅱで計算する時(むち打ちで他覚所見がない場合など)に6ヶ月通院したら(入院がない場合)慰謝料は「赤い本」基準(裁判基準)で89万円となり、休業損害もあれば保険会社から支払われる額が100万円を超えることも珍しくありません。

3、後遺障害がある場合の補償額

 後遺障害がある場合は、上記に加えて、後遺障害慰謝料と逸失利益が追加されます。後遺障害慰謝料は1級から14級までの等級に従って算出され、「赤い本」だと14級だと110万円、12級だと290万円、など、等級に応じて基準があります。一方、逸失利益は基礎収入に、等級に応じて決まる労働能力喪失率(14級だと5%、12級だと14%など)と、期間に対応するライプニッツ係数を乗じて決まります。

 後遺障害慰謝料と逸失利益が加わる分、後遺障害がない場合よりかなり金額が大きくなります。

4,後遺障害がない場合でも弁護士に依頼して費用で損にならないか?

 そうすると、後遺障害がない場合、比較的補償される金額が少ないのに弁護士費用を払うとかえって損をしないか、心配になる方もおられると思います。

・弁護士特約が使える場合

 弁護士特約が付いていれば弁護士報酬を保険会社が払ってくれるので、ご自身が負担をすることはありません(弁護士特約の上限を超えるような大きな事故の場合は別ですが、後遺障害がない場合にそこまで大きくなる可能性はほとんどないと思います)。したがって、弁護士特約がある場合は、費用を気にせずご依頼頂くことができると思います。

 弁護士特約はご家族のものが使えることもあれば、自動車保険以外の保険に付されていることもあるので、使えるかどうかよくわからないという場合は、契約している保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。

・弁護士特約がない場合

 弁護士特約がない場合ですが、「後遺障害がなく、かつ、裁判もしていない場合」は、当事務所の費用は成功報酬として「11万円(本体10万)+11%(本体10%)」となっており、後遺障害がある場合や訴訟をした場合の「22万円(本体20万円)+11%(本体10%)」より低く抑えています。また、すでに提示がある場合には、「弁護士報酬(税抜)を交渉により増えた分の半分以下に抑える」特例でご依頼頂ける場合もあります。

 実際に依頼をしたことで得をしたかどうかというのは、提示後の御依頼の場合を除いてなかなか明確にはわかりにくいかもしれません。しかし、一般的に保険会社からの提案は慰謝料に関して自賠責とあまり変わらない場合も多く、任意保険会社内部の基準でも裁判基準と比べてかなり低いことが多いのは事実です。そうすると、一般には弁護士に依頼することで慰謝料が増額できることが多いということができます。また、弁護士に依頼頂ければ、相手方保険会社とのやり取りを弁護士が行うのでご本人様は相手方保険会社とやり取りをする負担がなくなること、法的に正当な額での補償を求めることができる、というメリットがあります。

 もちろん、弁護士が入っても完全に希望通りの補償額になるとは限りませんが、「赤い本」の基準(裁判基準)に近いところで示談できることが大半であり(過失相殺による減額は別として)、また、休業損害の交渉も専門家が行うことで金額が増えることもあります。過失相殺の主張に関しても、弁護士は専門的見地からしっかりと主張をさせて頂きます。このように、解決へ向けた過程で専門家によるサポートを受けることができるというメリットがあるので、その点も含めてご依頼するかどうかは、ご検討頂ければ、と思います。

 いずれにせよ、相談だけなら無料なので、まずはご相談ください。お電話か電子メールでご予約の上、ご来訪をお願いします。(負傷で動けないような場合には、電話相談や出張での面談ができる場合もあります)

【コラム】事故車両の写真が必要となる場面

2021-09-06

事故車の写真について

交通事故による損害の補償において、事故に遭って損害した自分の自動車の写真が必要になる場面がいくつかあります。この記事では、そういう場面について解説したいと思います。

物損に関して

まず、事故に遭った車を修理する場合、相手方保険会社と打ち合わせをしてから修理したほうが修理代を巡って揉めるリスクを避けることができるという意味で望ましいです。具体的には、相手方保険会社と修理工場で協議をして、協定を結ぶという作業が終わってから、それに従って修理をすれば、相手方保険会社から修理代の妥当性を巡って争われるという事態を避けることができます。そのための資料として、相手方保険会社は資料として事故車両の写真を送るように求めてくるのが一般的です。

また、全損扱いで廃車にする場合も、全損としての処理をして問題ないかの確認のために同様に写真を求められるのが一般的です。相手方保険会社から見ると、工場の見積もりだと修理代が車両価値を上回っていても、本当にそれで問題ないのか、確認するために写真を見たいということだと思います。

事故の態様や衝撃の証拠として

人身損害についての交渉や訴訟でも自動車の破損状況を示す写真が証拠として用いられることがあります。すなわち、傷の位置から衝突の態様を推測して過失割合算出の資料としたり、自動車の破損の程度から事故の衝撃を立証する、などの場面で事故に遭った車両の写真が必要になります。

事故車両の写真の撮り方

では、事故車両の写真を撮るとき、どのように撮れば良いのでしょうか? 目的によって異なる場合もあるので、ここでは物損の資料として用いる場合の一般的な要点について述べようと思います。物損の資料として用いる場合、①全体が写っている写真 ②損傷した部分の写真 ③ナンバープレートが写っている写真 が必要だと考えられます。今はデジタルカメラでの撮影が一般的であり、フィルム式カメラと違って多数撮影しても特にコストは増えないので、上記3点に気を付けつつ、多めに写真を撮って、しっかりと記録を残すと良いと思います。

なお、交渉や訴訟で証拠として用いるということを考えると、写真はできる限り早く採る方が良いと思います。なぜなら、事故から時間が経ってから撮影すると、もし傷があっても、その後に損傷したのではないかと主張される恐れも出てくるからです。

事故車の修理費用を巡って困っている方はご相談を

事故車の修理費用について、相手方保険会社との交渉に困っている、悩んでいる、という方は、ぜひ、弁護士にご相談ください。保険会社との交渉などのやり取りを被害者の方に代わって弁護士が行うことができます。

« Older Entries

トップへ戻る

HOME Mail Tel