むち打ち(末梢神経障害)

1.むち打ち(末梢神経障害)とは

むち打ち(末梢神経障害)交通事故により、怪我をされる場合、いわゆる「むち打ち」損傷によるものが多いとされています。

この「むち打ち」損傷については、医学的に明確に定義をされておらず、診断書上も、「頸椎捻挫」「頚部損傷」「外傷性頚部症候群」など、医療機関によってさまざまな名称が使われていますが、おおまかに、頭頚部の外傷によって生じる神経系統または精神的障害を指すものです。

 

2.むち打ち損傷の争点

このように、むち打ち損傷については、医学上の判別が難しいとされていることから、賠償側の保険会社からも治療の必要性等について争われる傾向にあります。

特に治療期間については、4ヶ月~6ヶ月程度で打ち切りを示唆されるケースが多いようです。しかし、医学的に見て治療の必要性があって、かつ、交通事故と因果関係があるのであれば、本来は治療費は認められるべきだと考えられます。それゆえ、打ち切りを示唆されても、弁護士による交渉で保険会社からの治療費継続が認められる場合や、保険会社からの直接の支払いが打ち切られても示談交渉の際に請求したり訴訟で請求するなどの方法で支払ってもらえることもあります。

「赤い本」(いわゆる裁判基準の本)において、他覚所見のないむち打ちの場合には入通院慰謝料について表Ⅱを使うことになっており、それ以外の場合と比べて、同じ入通院の期間でも慰謝料の基準がやや低めです。

また、後遺障害の主張に対しても必ずしも認められるわけではなく、認定を得るために工夫が必要な場合もあります。

すなわち鞭打ちについては、後遺症が残った場合、
12級13号 局部に頑固な神経症状を残すもの

または、
14級9号  局部に神経症状を残すもの
に該当するものとして後遺障害等級認定を得られる場合があります。

12級だと後遺障害慰謝料だけでも290万円、14級でも110万円が「赤い本」の基準となっており、その他の入通院慰謝料も請求できますので、等級認定がなされれば慰謝料の額は入通院慰謝料だけの場合と比べて大きく増えることが期待されます。また、後遺障害等級認定がなされれば、労働能力低下が認められ、逸失利益の請求もできるのが原則です(12級だと14%、14級だと5%の低下が基準とされています)。

ただ、12級の認定のためには他覚所見による裏づけが必要とされており、14級と比べてハードルが高いのは事実です。また、14級は自覚症状だけでも認定される場合がありますが、事故の程度(衝撃の大きさ)、通院期間、症状の一貫性、などさまざまな要素により認定を得られるかどうかが変わってきますので、まずはご相談ください。なお、通常、後遺障害の逸失利益は67歳まで続くとして計算するのですが、むち打ちの場合は基本的に症状固定から5年分程度しか認めてもらえない場合が多いです。ただ、症状や業務内容等によってそれより長く認められるケースも例外的ですがありますので、個別のケースによってどこまで補償を求めるべきかは、変わってくるといえます。

 

3.最後に

以上の通り、むち打ち損傷は、事案によって対応すべき内容が大きく異なります。

相手保険会社から、「もう治療は終了すべき」などと言われた場合や、後遺障害を申請するか迷った場合、あるいは後遺障害について非該当とされたり思っていたより軽い等級しか認定されずに不満がある場合には、まずは交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。なお、後遺障害等級認定の獲得には、治療期間中から気を付けないといけないこともありますので、早めのご相談がお勧めです。

 

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