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【コラム】後遺障害等級認定後の交渉

2020-04-26

後遺障害認定後の流れ

後遺障害の等級認定を得られても、それで自動的に慰謝料や逸失利益の補償が振り込まれるわけではありません(被害者請求の場合、自賠責分は振り込まれますが)。そこから、相手方保険会社との交渉が必要です。相手方保険会社との交渉を経て、示談に至れば、速やかに振り込まれます。

 一方、示談で相手方が提示してきた金額に納得できない場合には、裁判を行って解決する方法もあります。この場合も、裁判の中で交渉をして和解をすることもできますが、判決まで進める場合もあります。

 

後遺障害がある場合に請求できる項目の例

後遺障害がある場合に、請求できる項目ですが、

・入通院慰謝料

・通院交通費

・休業損害

・文書費(診断書代)

・後遺障害慰謝料

・逸失利益

などが考えられます。もちろん、求償損害は事故が原因で仕事を休んだ場合だけですし、交通費も自宅から徒歩で通っていれば発生しません。逆に上記以外に介護費用などが認められるケースもあります。したがって、上記はあくまで例示です。

 また、入通院慰謝料や休業損害は後遺障害の有無にかかわらず要件を満たせば発生するものであるのに対して、後遺障害慰謝料と逸失利益は後遺障害が残った場合に独特のものです。なぜなら、後遺障害慰謝料は文字通り後遺障害が残ったことに対する慰謝料であり、また、逸失利益は後遺障害が残ったことで仕事をする能力が低下したことによる収入の低下を填補する趣旨だからです。

 

後遺障害慰謝料と逸失利益

後遺障害慰謝料は通常、「赤い本」に出ている基準額をベースに交渉します。過失相殺がない場合には、弁護士が交渉すれば概ね基準に近いところで示談できるケースが大半だと思います。

 しかし、ここで注意が必要なのは、逸失利益は必ずしも計算式に従った額で応じてもらえるとは限らないということです。つまり、逸失利益は、基礎収入×労働能力喪失率×期間に応じたライプニッツ係数で計算しますが、まず、むち打ちの場合は67歳までではなく5年程度で計算することが多いです。また、現実の収入低下がないことを理由に支払う必要がないという主張をされたり、おもに醜状障害のように物理的に労働能力が低下するわけではない場合には収入の低下が見込まれないことを理由に逸失利益の支払いを渋られる場合もあります。

 そこで、そのような場合には、被害者の代理人弁護士は事案に応じて逸失利益の存在を根拠づける事実を主張し、時には類似の案件の判例を示しつつ、計算上の額で払ってもらえるように交渉をしていきます。すなわち、収入低下がないという主張に対しては労働能力の低下を特別の努力で補っている結果低下していないという事実を主張する、現在の職業に照らして収入の低下が見込まれないという主張に対しては転職の可能性を主張する、というようなことです。また、時には逸失利益について低めで応じる代わりに慰謝料の増額を主張するということもあります。

 

後遺障害の損害賠償の交渉を弁護士に依頼するメリット

後遺障害の損害賠償請求について弁護士に依頼するメリットはどういうところでしょうか? まず、挙げられるのは慰謝料の増額です。入通院慰謝料は入通院の期間に応じて赤い本の基準で金額を算出できますし、後遺障害慰謝料も1級から14級までの等級に応じた慰謝料の額が掲載されています。しかし、被害者の方がご自身で交渉すると、「赤い本」の額ではなく、より低い任意保険会社の内部基準や、時には「赤い本」と比べてかなり低い自賠責の基準で提案してくるケースもあります。その点、弁護士が代理人になれば、「赤い本」の基準をベースにした交渉ができます。完全に満額になるとは限りませんが、経験上、「赤い本」の9割~満額で示談に至ることが多いです。

 また、逸失利益についても上記のように、専門的知識に基づく粘り強い交渉が必要な場合があります。慰謝料もそうですが、特に、逸失利益は自動的に決まるものではないのです。

 さらに、過失割合で揉めている場合は、後遺障害がある案件だと5%、10%の違いでも金額が大きく変わりますから、専門家による交渉によって正当な割合での示談に持っていく必要性は高いといえます。過失割合は、治療費や休業損害も含めた全体にかかってくるので、その割合によって最終的に補償として給付される金額が大きく変わってきます。この点についても、弁護士にご依頼頂ければ「赤い本」や「判例タイムズ」の判断手法を元に交渉します。また、事実関係に争いがあるときは、実況見分調書の取り寄せやドライブレコーダーの確認などの方法で調査をして、被害者の立場で立証をしていきます。

 以上については、交通事故被害の問題に詳しくないと充分な主張ができずに不利になってしまう恐れもあります。その点、弁護士は、特に交通事故案件を多く扱っている場合には、経験と専門的知識を活かして適切な交渉や訴訟活動をすることができます。それゆえ、後遺障害のある案件では、一般的に考えて、弁護士にご依頼頂くメリットは大きいといえます。

 

当事務所の実績

 多摩中央法律事務所では、これまで200件以上の交通事故案件を扱ってきました。その中には多くの後遺障害のある案件が含まれています。後遺障害等級認定の申請(被害者請求)、異議申立て、を含めて、後遺障害に関する多くの案件を扱ってきました。後遺障害に関する案件は当事務所では力を入れているところなので、交通事故の後遺症に悩んでおられる方は、ぜひ、ご相談ください。

【コラム】後遺障害等級認定は弁護士か行政書士か

2020-04-17

後遺障害の等級認定の申請は弁護士以外でもできる?

後遺障害等級認定の申請(被害者請求)について、弁護士の他に行政書士も扱っている場合があるようです。では、いずれに依頼するのが良いでしょうか?

これは、弁護士の方がお勧めです。理由は簡単です。なぜなら、交通事故の補償の話は全体としてみれば、法的紛争だからです。そして、法的な紛争は弁護士しか扱えません。被害者請求に関しては、書面作成業務だと捉えて扱う行政書士もいるようですが、しかし、その後保険会社と交渉することは当然弁護士でないとできません。

紛争案件を扱えるのは?

 また、行政書士は紛争案件を扱えないので、「もし12級が取れたら慰謝料と逸失利益はいくらくらいになりますか?」というような質問にもアドバイスができないはずです。なぜなら、それは法的紛争であるので、行政書士が扱ってはいけない部分であり、また、実質的に考えても、同じ等級でも「赤い本」の基準に機械的に当てはめればよいというものではなく、事故の態様、治療の経過や症状、業務内容、既往症、など様々な要素を考慮して決まるものであり、交渉や訴訟などに慣れている弁護士でないと回答できないはずです。

 また、そもそも、14級でも取れるかどうか微妙な場合がありますが、そういうときでも、もし認定されれば交渉や訴訟によりどれくらいの慰謝料や逸失利益を得られる見込みがあるか、もし認定を得ずに現状で交渉したらどれくらいが可能なのか、を説明できないと、被害者請求をすることがお勧めかどうかも判断できないです。そして、交渉や訴訟の場合の見込みについて説明できるのは弁護士だけなのです。

異議申立ても弁護士にご相談を

 これは、異議申し立てについても同様です。すなわち、非該当だったり、考えていたより軽い等級での認定だった場合に、異議申し立てをするかどうかの判断のためには、異議申し立てが通る可能性があるかどうか、通りやすくするにはどうすればよいか、の他に、通った場合に補償として得られる額がどれくらい増えるか、という目途について説明も重要なはずです。そういった話は、後遺障害が認定された方についての案件を多く扱っている弁護士にしかできないことです。本を見れば出ていることばかりではなく、交渉の現場での経験も重要なのです。

 もちろん、行政書士は、「認定が得られたら後は弁護士に任せる」というでしょう。しかし、相談に来られた方は、その前に、後遺障害等級認定が得られたらどうなるのか、何級だといくらくらいの補償が得られる可能性が高くて、非該当ならどうなのか、という見込みも聞きたいはずです。そのような、問題全体についての相談に応じることができるのは弁護士だけです。

 

交渉を代理で行なうことができるのは弁護士

 そして、もし被害者請求だけ行政書士に依頼しても、その後の相手方保険会社等との交渉は弁護士しかできないので、結局、弁護士に依頼することになります(ご自身でするなら別ですが)。そうであれば、最初から弁護士に依頼する方が途中で依頼先を変える必要もないため、望ましいと思います。

*140万円以下の場合は一部の司法書士も扱えますが、後遺障害が認定された場合はほとんどの場合それを超える額を請求することになると思います。

 交通事故のことで悩んでおられる方は、お近くの弁護士にご相談いただくことをお勧めします。なお、当事務所は立川、所沢、にありますので、このいずれかにご来訪可能な交通事故被害者の方はぜひご相談ください。(事故による負傷などの理由で来訪が難しい場合は、ケースによっては出張相談が可能ですので、まずはお問い合わせください)

 

【コラム】後遺障害の等級認定申請を弁護士に依頼することをお勧めする理由

2020-02-28

後遺障害の等級認定は、2つのルートがあります。一つは加害者側の任意保険会社を通して申請するいわゆる事前認定です。もう一方は自賠責保険に対して申請する被害者請求であり、弁護士が行う場合は(少なくとも当事務所では)基本的にこの方法を使います。では、なぜ弁護士に等級認定の申請の代理を頼むことが望ましいのでしょうか?

まず、加害者側の任意保険会社を通す方法だと、資料の提出も任意保険会社に任せることになるため、被害者の方で出したい資料を追加で提出することはできません。一方、自賠責保険の被害者請求だと、医師の意見書、本人陳述書、など追加の資料を出すこともできます。また、自賠責保険に書類を送る前に必要があれば追加の検査をしてその結果が出てから申請をするということも可能です。もっとも、被害者請求も被害者自身が弁護士を使わずに行うこともできます。では、それでも弁護士に依頼すべき理由はどういうところでしょうか?

 まず、弁護士に依頼することで後遺障害の等級認定の申請についてもアドバイスを受けられるということが挙げられます。どのような検査を受ければよいか、陳述書を書いた方が良いか、書くとしたらどういうことを書くべきか、など交通事故に詳しい弁護士からアドバイスを受けられることもあるし、また、必要に応じて弁護士の意見書を付けるということもできます。ただ、これらは一度等級認定を申請してみて思ったような結果が出なかった場合の異議申立ての際に行うこともありますが、いずれにせよ一度詳しい弁護士の意見を聞いてみることは今後の方針を立てるうえでも有益だと思います。

 また、等級が確定した後、弁護士に交渉を任せることができるという点も挙げられます。弁護士は行政書士と異なり、交渉の代理人もできますので、等級認定が出た後、そのまま慰謝料や逸失利益など、後遺障害及びそれ以外の損害についての補償交渉を行うことができます。弁護士にお任せいただければ、ご本人様は相手方の保険会社と話す必要がありません。もちろん、訴訟が必要になった場合も弁護士は代理人として出廷や準備書面の提出など、様々な訴訟行為や示談交渉を行うことができます。

 このように、弁護士は後遺障害等級認定の申請についてのアドバイスの他、被害者請求の代理、さらには等級認定後の相手方保険会社との交渉もできますので、後遺障害等級認定について悩んでおられる方は、まずは弁護士にご相談ください。

【コラム】等級認定が出たら行うこと

2020-02-23

等級認定の通知について

被害者請求を行って後遺障害の等級認定を求めた場合、1か月~2か月程度で結果が郵送で通知されます。そこには、認定された等級とともに、その等級になった理由が書いてあります。非該当とされた場合も同様に理由も書いてあります。

 複数の負傷した部位が問題になっている場合には、それぞれの部位について等級または非該当という結果と、理由が書いてあります。

 この通知書の理由はかなり詳しく書いてあり、次に述べるように、異議申し立てをするかどうかの判断、及び、その場合のてがかりとなりうるものです。

異議申立てについて

後遺障害の等級認定が出た場合、もし、等級に不満がある場合は異議申し立てを行うことが考えられます。異議申立ては、なぜ認定された等級が妥当でないか(より重い等級とされるべきか。非該当の場合、なぜ等級認定がされるべきか)を、理由とともに述べることで行ないます。新たな検査の結果や医師の意見書、弁護士の意見書や本人の陳述書などを付けることも多いです。

 異議申し立てにおいては、もともとの認定がなぜ適切ではないか、を説得的に述べる必要があります。そのための材料が新しい検査結果であったり、医師の意見書であったり、弁護士の意見書や本人の陳述書であったり、するわけです。異議申し立てをするかどうかの判断や、どういう方法で疎明すれば認められる可能性があるかのてがかりになるのは、上記の通知書の理由のところです。通知書に書かれている理由を説得力のある資料で批判することができれば、異議が認められる可能性があるでしょう。

 なお、異議申し立ての回数に制限はありませんが、繰り返し行うケースは多くはないと思います。

具体的な補償額を決めるための交渉について

その等級で納得できる場合は、補償の交渉に入ります。入通院慰謝料通院交通費休業損害(まだ未払いがある場合)、治療費(同)、などに加えて、後遺障害慰謝料逸失利益を請求できるのが後遺障害がある場合の特徴です。もっとも、等級認定されなくても訴訟で後遺障害に対する補償を求めるという方法もありますが、その場合は後遺障害が残ったことについて立証が必要です。この点、等級認定がされると、後遺障害があることを前提に相手方保険会社と交渉をすることができます。裁判に進めた場合でも、等級認定がされていると、後遺障害の存在そのものが争われるリスクは低くなります。

ただし、保険会社との交渉において、赤い本に書いてある基準通りの補償がすんなりと認められるかというと、そうとも限りません。

後遺障害慰謝料は法律上の論点としては比較的争われる余地は少ないですが、保険会社は減額で提示してくる場合があります。被害者の方本人による交渉だとかなり低い額で提示してくることが多いといわれています。弁護士が代理人として交渉した場合は、比較的良い提案が得られることが多いし、なお不十分だと考えられる場合は、粘り強く交渉してできる限り赤い本の額で(少なくともそれにかなり近い額で)の示談ができるように尽力します。

 逸失利益については、減収の見込みがないという理由で争われることもあります。例えば醜状障害については業種、職種によっては労働能力低下を否定して逸失利益をゼロで提示されることもあり得ます。そのような場合、醜状障害による減収の恐れがある仕事に転職することもありうることを主張して逸失利益の補償を求めるという方法で交渉をすることが多いですが、時には、逸失利益の減額はやむを得ないとして代わりに慰謝料の増額を求める、という方法を用いる場合もあります。

 上記のように、後遺障害に対する補償についても正当な補償をもらうためには交渉力が必要な場合があり、そのためには、交通事故に詳しい弁護士への相談がお勧めです。弁護士にご依頼いただければ、弁護士が専門的知識を活かして、代理人として相手方保険会社等と交渉いたします。

訴訟について

 また、交渉により充分な額の補償を得られない場合には、訴訟という方法をとることもあります。訴訟を行う場合には、「訴訟をすれば慰謝料や逸失利益など支払われる補償額がそれくらい増えるか」を検討することが大事ですが、同時に、「一部の項目が減ってしまう恐れはないか」も検討しないといけません。つまり、例えば、「休業損害はいつまでの分が妥当か?」「治療が長引いているが本当にその全期間が正当な治療期間か?」というような疑問について任意交渉では保険会社が主張していなくても訴訟にすると争われる場合もあります。任意交渉段階の示談の提案は、合意をせずに訴訟に進めると、撤回されてしまうことも珍しくないので、注意が必要です。

 訴訟になった場合も、弁護士が代理人として裁判所に出廷しますので、ご本人様が裁判所に行って主張をしたり準備書面を出したりする必要はありません。ただし、当事者尋問が行われることがあります。その場合は、当事者として出廷いただく必要が出てきます。当事者尋問は必ず行われるわけではありませんが、過失割合を巡って争いがある場合等には、比較的実施されるケースが多いように思います。ただ、その場合も、事前に弁護士が、どのように対応すればよいか、をアドバイスし、また、主尋問(こちらの弁護士が訊く手続き)についてはあらかじめ練習をすることもできます。

 いずれにせよ、当事務所では、交渉を打ち切って訴訟にする前には必ずご依頼者様に確認しますので、いつの間にか裁判になっていたということはございませんので、ご安心ください。

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