Archive for the ‘後遺障害に対する補償’ Category
【コラム】後遺障害が認定された場合に請求できるもの
後遺障害の等級が認定された場合、人身損害に関して、何を請求できるでしょうか?
まず、
・入通院慰謝料
の請求が可能ですが、これは治療のために通院していれば後遺障害に関係なく請求可能です。これは通院した期間に応じて決まるのが原則です。怪我の程度等により赤い本の表Ⅰと表Ⅱいずれを使うかが決まります(表1のほうが補償額が大きいですが、むち打ちでは多くの場合表Ⅱを用います)。なお、通院した際の交通費の請求も基本的に可能です。(タクシー利用については必要性がないと認められません)
次に
・後遺障害慰謝料
の請求が可能です。これは等級により金額が決まってきます。
「赤い本」に標準的な額が出ているので、基本的にこれに従って交渉します。(ただし、それが絶対的な上限というわけではありません)
さらに、
・逸失利益
に対する補償が可能になります。これは後遺障害によって将来の収入が低下する分の補償です。それゆえ、認定された等級の重さだけではなくもとの収入によって額が違ってきます。また、等級の重さにより労働能力低下の割合が決まることになっていますが(例えば14級なら5%)、部位などによっては実際の収入の低下につながらないと判断されて支払いを渋られることもあります。
このほか、ケースによっては休業損害の請求が可能です。休業損害は実際に休業したことが必要ですが、1日ではなく半日単位の休業でも請求できます。また、主婦が負傷により家事をできなかった場合にも請求が可能です。休業損害も逸失利益もいずれも怪我による収入の損失を補償するものですが、休業損害は症状固定までの時期において休業した分を補償するものであり、症状固定後の労働能力の低下による損失を補償する逸失利益とは補償対象の時期が異なります。
そのほか、事故の後遺障害で介護が必要になった場合には介護費用や住宅の改造費などを請求できる場合もあります。
上記は一般的な話であり、案件により請求できるものは違います。また、慰謝料や逸失利益等も必ずしも等級や通院期間などで一義的に決まるものではありません。ご自身に対する補償の提案について不安や不満がある場合は、まずは弁護士にご相談ください。当事務所でも多くの後遺障害事案を扱ってきました。弁護士にご依頼いただければ、後遺障害の等級認定の申立ても、その後の交渉も弁護士が代理人として行うことができます。
【コラム】後遺障害の等級認定に不満がある場合
後遺障害の等級認定については、任意の保険会社を通す方法もあれば、自賠責保険に自分で(あるいは弁護士を代理人として)申請する方法があります。
後者の方法の場合は、依頼された弁護士はできる限り申請が通るように工夫をします。一方、前者の場合は、相手方保険会社は、基本的には、医療機関から取り付けた資料一式を添えて申請を行うと考えられます。。それぞれの方法の違いはまた近いうちに書こうと思いますが、いずれにせよ、等級認定の申請をしても思っていたより軽い等級でしか認定されなかったり、非該当の判定が下されることは珍しくありません。そのような場合、どうすればよいでしょうか?
ここでまず考えられるのは異議申し立てをすることです。ここでは、まず、提出した資料(診断書など)に表れている症状や診断結果が充分反映されていないということを指摘することが重要です。同時に、被害者に有利な追加資料を用意できる場合は、できる限りするべきです。例えば、後遺障害について存在を明らかにすることができる可能性のある検査がされていなければ行うべきでしょう。どの検査が有効かは症状により異なるので、具体的には医師に相談すべきだと思いますが、例えば、むち打ちでは画像のほかに神経学的テストが用いられる(これも種類があります)ことが多いので、医師に相談してみるとよいと思います。また、医師の意見書、弁護士の意見書、などをつけることが多いです。
このようにして、従来の認定の問題点を指摘しつつ、可能であれば追加的資料を出して異議申し立てを行うことで、非該当から14級に変わったり、14級が12級に上がる、など被害者に有利な方向での変更がなされることがあります。
異議申し立ては専門的な知識が必要なので、交通事故案件に慣れた弁護士に依頼すると良いと思います。
当事務所でも多くの交通事故案件を扱い(進行中の案件を含めて累積受任件数は200件以上)、異議申し立てを成功させた事例も多々あります。
異議申し立ては当事務所が力を入れているところであり、等級認定に不満がある方はまずはご相談ください。
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