Archive for the ‘休業損害’ Category

【コラム】主婦の休業損害

2020-06-12

1、主婦にも休業損害は認められるか?

イ、そもそも休業損害とは?

交通事故で仕事を休まないといけなかった場合に、その損失を加害者側に請求することができるのが休業損害という制度です。会社員や公務員、自営業者のように収入がある方の場合は、イメージしやすいと思います。仕事に行けなかった分、通常はその分実際に収入が減ってしまうからです。

 なお、逸失利益が後遺障害が原因の労働能力喪失に対する補償であるのに対して、休業損害治療中休業による損害を補償するものです。すなわち、治癒または症状固定までの時期については休業損害の対象ですが、それ以降は、逸失利益の問題であり、休業損害の対象ではないといえます。

ロ、主婦の場合の問題

 では、主婦、特に専業主婦の場合は、もともと収入はゼロですから、事故に遭っても減らないようにも思えます。しかし、専業主婦も家事をすることによって家庭に貢献しており、事故の被害で家事ができなかったことに対する経済的損失が観念できるはずです。では、主婦の休業損害はどのように計算すればよいのでしょうか?

2、主婦休損の計算方法

 主婦の場合、実際に勤め先から給与を得ていたわけではないので、基礎収入をどのように計算するか、が問題となります。この点、基本的に、賃金センサスの値を用いることになっています。賃金センサスというのは国による統計的な資料であり、年齢、性別、学歴に応じた平均値が記載されています。このうち、女性の平均を基礎収入として用いることになっています。

 すなわち、1日当たりの基礎収入に実際の休業日数をかけて計算するのが基本的な方法ですが、その基礎収入として、賃金センサスの女性の平均値を使うのです。

3、休業していたかどうかはどのように判断するか?

 では、休業していたかどうかはどのようにして判断するのでしょうか? サラリーマンであれば会社に休業証明書を書いてもらえばよいですが、主婦の場合は雇用主がいるわけではないので、正式の証明書のようなものは存在しません。そこで、本人の陳述と、診断書などに記された症状、通院の状況、事故の態様などから事故と因果関係のある休業の範囲を明らかにしていくという方法をとります。

 また、事故後ある日まで完全に休業し、その翌日から普通に家事をすることができたという、0%か100%かという計算をするとは限らず、事故直後から何日目までは100%、その翌日から何日目までは50%、というような形で、途中からは部分的には家事ができたとして計算することもあります。また、それほど怪我が重くなかった場合には、通院した日について、通院にかかった時間を考慮して、通院日だけは休業損害を認めるという場合もあります。

 主婦の場合は休業の事実を直接的に証明することが難しい場合が多く、被害者側の弁護士は様々な資料から推定して主張し、加害者側の保険会社と交渉していくことが多いです。その上で、一定のところで妥協が成立するか、難しい場合は、訴訟で請求するか、という判断が求められることになります

4、まずは弁護士にご相談を

 治療費や慰謝料のようにわかりやすい項目と異なり、主婦の休業損害は詳しくない人には見落とされやすい項目です。この点、弁護士にご依頼頂ければ、どのような請求が可能か、丁寧に確認したうえで交渉を進めてまいります。

【コラム】自営業者の休業損害

2020-03-17

交通事故に遭ったことにより、仕事を休み収入が減った場合、その減った金額を休業損害として加害者に請求できます。休業損害は、原則、日給×休業日数で計算します。この休業損害を請求するにあたり、自営業の方は、会社勤めの方(給与所得者)と比べて、以下の3つの点が問題になることが多いです。

 

1 交通事故による減収があるのか

自営の方は、交通事故の後、収入が減っていたとしても、その原因が交通事故で仕事を休んだからなのか、あるいは単純に仕事が少なかった等他の原因があるのか、問題になることがあります。

交通事故による減収があるのか問題になった場合には、具体的にどんな仕事を、なぜ休んだのか(入通院したから、あるいは具体的にどんな症状があったからできなかったのか)を細かく説明し、交通事故が原因であることを証明する必要があります。

 

2 休業日数

 入院した場合には、入院日数=休業日数と考えることができますが、通院の場合には、何日仕事を休んだのか、自営の方は他に証明してくれる人がいないため、問題になることがあります。

1つの方法としては、通院日数を休業日数として計算する方法もあります。ただし、通院期間が長期間に及ぶ場合等には、全ての通院日数が休業日数として認められないこともあるので注意が必要です。

 

3 日給

 自営業の方は、事故前年の確定申告をもとに日給を計算することが多いです。日給の計算にあたっては、確定申告書上の経費を、固定経費と変動経費に分けて計算するので、経費の内容を細かく分析する必要があります。

 また、自営の場合、年によって所得が多かったり少なかったりと波があることが多いですよね。事故前年が、たまたま所得が低い年ですと、事故時の本来の日給よりも、大幅に少ない額になってしまうことがあります。そういう場合には、事故前年よりもっと前の確定申告を提出するなどして、正しい日給額を積極的に証明する必要があります。

 

以上、自営の方が休業損害を請求する場合には、①そもそも減収があるのか、あるとして②休業日数や③日給をどのように計算するのか、3つの点が問題になることが多いことを説明させていただきました。自営の方は特に、症状や仕事内容の説明、確定申告書の丁寧な読み込みが必要で、お困りの方も多いのではないでしょうか。自営業の方の休業損害の請求にあたっては、弁護士がお役に立てる場面が多いと思いますので、ぜひ一度、当事務所にご相談下さい。

トップへ戻る

本店電話番号リンク 所沢支店電話番号リンク 問い合わせバナー