【コラム】身の回りの品についての物損

物損とは

物損とは、その名の通り、物的な損害のことです。交通事故で、当事者の自動車やバイクが損傷した場合が典型です。物損だけの事故(物損事故。物件事故とも言います)の場合のみならず、人身事故においても物損は問題になります。

物損の補償についての考え方

物損については、修理が可能な場合は修理費を加害者側に請求できるのが原則です。ただし、時価と修理費を比べて修理費のほうが高い場合は原則として時価の賠償を求めることができるに留まります。例えば、車が損傷して、修理費は100万円だけども時価は50万円という場合には、100万円の修理代を出してもらうことは基本的に認められず、50万円が賠償額の基準となります(買い替え諸費用についても一定範囲で請求できます)。

車やバイク以外の物損について

車はバイク以外の物についても事故で損傷すれば、補償の対象になります。被害者が歩行者であったり、自転車やオートバイに乗っていた場合には、事故で服が破れたり、腕時計が壊れたり、というように身に着けていたものが損傷することはよくありますが、それらも補償の対象となります。もちろん、自転車が壊れた場合も同様です。
被害者が自動車に乗っていた場合も、衝撃で車内の物が壊れた場合は、同様に、損害賠償請求の対象になりえます。

身の回りの品の物損の評価の問題

では、時計や服など、身の回りの品が損傷した場合、どのようにして被害額を確定すればよいでしょうか。ここでは、全損で修理が難しいことを前提に議論をします。
まず、領収書があれば、その額を元に、経年による減価償却を考慮した金額を出すことになります。つまり、時間が経てば価値は下がるという前提で、購入後の経過年数に応じて価値を算出するわけです。経年とともにどの程度価値が下がるかはその物の種類によると考えられます。
一方、領収書がない場合、破損した品の写真などから型番が分かれば、それを前提に評価額を出すことはできます。ただし、領収書がない場合、購入時点を証明することが難しいという欠点はあります。領収書がなくても、オンライン販売の購入記録や、クレジットカードの利用明細などからわかる場合もありますので、領収書が手元にない場合は、それらがないかも調べてみましょう。
厳密な金額がわからない場合でも、写真などでどのようなものを身に着けていてどのように損傷したのかを示すことができれば、「少なくともいくらの価値はある」という形で最低限の額での損害賠償が認められる場合もあります。事故で損傷したことに間違いがないのであれば、最初からあきらめるのではなく、まずは交渉してみることが重要だと思います。
いずれにせよ、事故で破損した事実を示すために写真は重要な証拠になります。事故直後の状態を示すために、できるだけ早く撮影しておきましょう。また、念のため、破損した物は損害賠償の交渉ないし訴訟が終わるまで手元に置いておくと良いでしょう。

弁護士に依頼した場合

弁護士に依頼している場合は、このような身の回りのものの物損についての計算と交渉も弁護士に任せることができます。特に、弁護士特約がある場合は、物損だけの依頼でも基本的に費用が持ち出しになることはないはずなので、物損のみの場合も遠慮なくご相談頂ければ、と思います。

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