自賠責とは?

ここでは、自賠責保険の特徴について挙げていきます。

1、強制である

まず、自賠責の特徴として、強制加入だということが挙げられます。
すなわち、自動車を運転するためには必ず、自賠責に入らないといけません。これは、自動車損害賠償保障法という法律で定められています。
法5条に「自動車は、これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ、運行の用に供してはならない」と定められているのです。

それゆえ、日本を走っている自動車は、ほとんどが自賠責に加入しています(ごく一部に、違法な無保険車があります。これは罰則の対象になります)。

2、補償される損害の種類

また、自賠責は人的損害しか保証されないという特徴もあります。すなわち、物損には使えないのです。

3、補償される範囲

自賠責には、傷害に対する補償は120万円までという制限があります。後遺障害に対する補償についても、後遺障害等級に応じて75万円から4000万円が上限になります。死亡した場合の補償は3000万円が上限となります。

4、補償の基準

自賠責の場合、入通院慰謝料は、1日4200円と決められています。
後遺障害慰謝料については、等級ごとに上限があります。
休業損害は、1日5700円が原則となります。

5、過失相殺

過失相殺というのは、民法722条2項に定められる仕組みであり、被害者にも過失があれば、その分、損害賠償の額が減額されてしまう
という制度です。

交通事故については、自賠責については、特別な定めがあり、被害者の過失が7割未満の場合は減額しません。
また,被害者に7割以上過失がある場合も2割から5割が減額されるにとどまります(ただし加害者に過失が全くない場合は支払われません)。

6、示談代行

自賠責には被害者との示談を代行するようなサービスはありません。

7、被害者の視点では?

では、被害者から見れば、加害者が任意保険に入っているかどうかで、どのような違いがあるでしょうか?

加害者が任意保険に入っていると、加害者側の保険会社から十分な補償をもらえる可能性が高くなります。
一方、自賠責しか入っていないと、自賠責を超える分は原則として加害者本人に請求することとなり、支払い能力等の問題から充分な補償を受けられないリスクが高まります。
(自分のほうの保険会社に請求できる場合はあります。また、加害者本人の責任の他に、使用者の責任や、運行供用者責任、などを追及できる場合もあります)

また、任意保険会社が付いている場合は、ほとんどの場合、加害者側の保険会社の担当者と交渉することになります。
一方、任意保険会社が付いていない場合は、被害者は、原則として加害者本人と直接交渉することになります。
(いずれの場合も、加害者側に弁護士が付くケースはあります)

このように、被害者から見れば、加害者が任意保険に入っているケースのほうが、充分な補償を受けられる可能性が高いのです。

加害者が任意保険に入っていない場合は、被害者は、自賠責保険で賄われない部分は

・加害者本人に請求する

・使用者責任を追及する

・運行供用者責任を追及する

ことが考えられます。ただ、使用者責任は業務上の事故の場合に限られますし、運行供用者責任は運転者以外に所有者がいる場合にケースによっては所有者の責任を追及できるという仕組みであり、いずれも、用いることができるかはケースによります。

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