逸失利益とは、後遺症を負ったことにより、交通事故前のように就労することができなくなり、よって収入が減少するために失われる利益をさします。
言い換えれば、もし被害者が事故に遭わなければ、これから先、得られたであろうと予想される利益のことをいいます。しかし、事故にあった被害者などが、必ずしも、サラリーマンで、男性とは限りません。
学生、サラリーマン、フリーター、専業主婦、アルバイトなど様々な状況によって、その仕事の評価をどうするかもポイントとなります。
特に注意すべき点は男女差で実際に評価が変わってくる場合があることです。これは、後遺障害の認定においても顔などの傷については女子の方がより重大な障害として認定されうるという点のみならず、逸失利益の基礎となる賃金の算出においても、男女で違いが生じ得るという点も気を付ける必要があります。
もっとも、近年では女子でも男性並みに勤務し続けることも増えてきた環境に基づいて、具体的に職業が決まっていると、高額の認定になりうるという判例もあります。また、男性だからと言って顔などの傷を低く評価して良いのか、疑問も呈されています。