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1.その他の後遺症について
後遺障害に該当しうる症状は様々ですが、例えば、次のような、残存症状について後遺障害の認定がされる場合があります。
1 精神・神経の障害 ・身体性機能障害(麻痺)、てんかん、PTSD
2 眼の障害 ・失明、半盲、視力減少、複視、視野狭窄、眼球の機能障害・運動障害、まぶたの欠損・運動障害
3 耳の障害 ・聴力の減少、喪失、耳鳴り、耳漏、平衡機能障害、耳かくの欠損障害
4 鼻の障害 ・鼻の欠損、嗅覚脱失、花呼吸困難、嗅覚減退
5 口の障害 ・歯牙障害、咀嚼(そしゃく)機能の障害、言語機能の障害、嚥下障害、味覚障害
6 上肢・下肢等の障害 ・機能障害、欠損障害、短縮・変形障害
7 脊柱の障害 ・変形障害、運動障害
8 その他の体幹骨の障害 ・鎖骨変形、肋骨変形、肩胛骨(けんこうこつ)変形、骨盤骨変形
9 胸腹部臓器の障害 ・臓器(呼吸器・循環器・腹部臓器・泌尿器・生殖器)の機能障害 |
2.等級認定について
いずれの場合も、自賠責の後遺障害等級認定基準に該当するかどうかを確認することが重要です。ちょうど当てはまるものがあれば、それに該当することを主張して後遺障害の等級認定を行うことが考えられます。等級認定を得られれば、その後の後遺障害慰謝料や逸失利益についての補償の交渉を比較的スムーズに進められる可能性が高まります。(もし、認定を得られない場合、訴訟で請求することはできなくはないですが、一般的に自賠責の認定がない場合は立証の困難さが高いと思います)
もし、ちょうど当てはまるものが表になくても、類似するものがあれば、該当することが認められて等級認定される可能性があります。これを、準用と言います。すなわち、自動車損害賠償保障法施行令の別表第二の備考六において、「各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする。」とされており、これを準用と呼んでいます。
いずれにせよ、後遺障害の認定を求める手続きは同じで、相手方の任意保険会社にまかせる(任意一括)か、書類を集めて自賠責に申請をする(被害者請求)のいずれかとなります。
3.後遺障害に当たるかもしれないと思った方へ
ご自身の症状について、後遺障害に当たるかもしれないと思った方は、まずは弁護士へご相談ください。弁護士は、代理人として、後遺障害の被害者請求(自賠責に対する請求)を行うことができます。さらに、後遺障害等級認定を得られた後の後遺障害慰謝料や逸失利益などの交渉も行います。
また、納得のいく認定結果を得られなかった場合の異議申立ても弁護士が代理人として行うことができます。
後遺障害の等級認定の申請(被害者請求)や異議申立て、および、認定後の交渉は、かなり専門性の高い作業なので、ぜひ、弁護士にご相談頂ければ、と思います。