死亡事故の損害賠償と注意点

交通事故により被害者が亡くなった場合、遺族の方が加害者に対して損害賠償請求をすることとなります。この際、どのような点に気を付ければよいでしょうか。損害賠償を相手保険会社等へ請求する場合に注意すべき点について、ご紹介します。

まず、交通事故で被害者が亡くなった場合(死亡事故)、被害者に発生した損害の賠償請求をすることができるのは、原則として、相続人のみです。したがって、遺族であっても相続人に該当しない場合は請求権者にはならないことになります。(ただ、固有の慰謝料請求権が認められている遺族の場合は相続人にならなくてもその範囲で請求は可能です)

亡くなった方を被相続人と言いますが、被相続人に子がいる場合は、子は相続人になります。子や孫などの直系卑属がいない場合は、まず直系尊属(親や祖父母)が相続人となります。直系尊属もいない場合は兄弟姉妹が相続人となります。また、配偶者はいずれの場合でも相続人となります。したがって、兄弟姉妹は相続人の場合もあればそうではない場合もあるということになります。また、代襲相続により甥や姪が相続人の場合もあります。誰が相続人かは被相続人の戸籍謄本等を出生から死亡まで取り寄せて確認することで調査します。

ここで、相続人が複数いる場合には、被害者の損害賠償請求権は、各相続人に相続されることとなります。遺産分割協議を行っていない場合は、各相続人が法定相続分に応じて請求権を相続することとなります。この場合、それぞれの相続人が自己の相続分を請求していくのが原則です。一方、遺産分割協議が済んでいる場合や、有効な遺言があった場合は、それに従うこととなります。

次に、具体的に相続するに当たって、交通事故がどのような態様だったのか、把握をする必要があります。ドライブレコーダーや防犯カメラといった客観的証拠や第三者の証言等が重要になってきます。もちろん、警察の実況見分調書などの資料も重要です。ここで、被害者は既に亡くなってしまっているため、どのような事故だったのか被害者から聞き取ることはできないため、実況見分調書が加害者の供述に影響されていないか、よく検討する必要があります。不自然な点があれば、交渉等においてしっかり主張していく必要があります。

また、請求する項目としては、死亡に対する慰謝料の他、亡くなるまでの治療費及び入通院慰謝料や休業損害、逸失利益、入院雑費、等、が考えられますので、個々の事案に合わせて丁寧な検討が必要です。

また、損害賠償請求には時効があります。人身は5年、物損は3年、が原則ですので、期間が過ぎてしまわないように注意しましょう。事故の直後は悲しみに打ちひしがれていてなかなか行動できないとは思いますが、時効の問題もあり、また、時間が経つと証拠の収集が難しくなる場合もあるので、早めに行動することが重要です。

このように、死亡事故においては様々な注意すべき点があります。

そして、専門家である弁護士に相談した上で、対応することが、早期解決につながりますので、一度、交通事故案件を扱う弁護士にご相談ください。

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