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〈被害者参加制度について〉
裁判所の制度として、「被害者参加制度」というものがあり、交通事故の被害者の場合は、この制度を利用できる場合があります。
以下では、制度の概要について、ご案内します。
〈制度の概要〉
被害者参加制度とは、一定の刑事事件の被害者等が、裁判所の許可を得て、「被害者参加人」として、刑事裁判に参加するというものです。
交通事故の加害者も、刑事事件の被告人として刑事裁判を受ける場合がありますので、交通事故の場合でも、一定の場合には、これを利用することができます。
〈刑事裁判の流れ〉
①公訴提起
②起訴状朗読
③冒頭陳述
④証拠取調べ
⑤証人尋問
⑥被告人質問
⑦論告・弁論
⑧最終弁論
⑨判決
被害者参加制度は裁判所の許可を得て、公判期日に参加するものなので、上記の流れのうち、被害者の方が参加可能なのは、⑤証人尋問、⑥被告人質問、⑦論告・弁論の段階です。
証人尋問では、情状に関する事項について、直接質問をすることができ、意見陳述を行なうために必要がある場合には、被告人に対して、直接質問することもできます。
また、論告・弁論の後には、事実又は法律の適用について、意見を述べることができます。
刑事事件と民事事件は、基本的にまったくの別物なので、刑事裁判に被害者参加したからといって、直ちに民事上の賠償額に影響が出るわけではありません。
しかし、被害者の方の感情としては、加害者(被告人)に適正な処罰を望むのが当然ですし、その意向を裁判所に訴えかけ、処罰に反映させるためには、被害者参加制度を利用するのがもっとも有効といえます。
また、刑事事件でどのように処分されたかという結果が、民事に影響しないとはいえ、民事事件で、刑事事件で作成された調書等を証拠とすることもありますので、その意味ではまったく影響がないとも言い切れません(過失、事故態様に争いがあるような場合は特にそうです。)。
被害者参加制度について、さらに知りたい、参加を検討したいという場合には、お気軽にご相談下さい。