【コラム】後悔しないために 通院中気を付けてほしい3つのこと

後遺障害等級認定のためには、症状の一貫性が認められることが絶対条件です。症状の一貫性とは、「ある自覚症状が、初診時から症状固定時まで継続していること」です。しかし、いざ後遺障害等級認定を行ってみたところ、症状の一貫性が否定され、認定がされないことがあります。そのようなケースでは、以下の3点に気をつけて通院をしていれば、結果が変わっていたのではないか、と悔やまれることが多くあります。後悔しないために、交通事故治療中には、以下の3点にぜひ気を付けて、通院していただきたいと思います。

1 医師に自覚症状をなるべく細かく伝えること

「体のどの部位に」「どんな症状があるのか」を、なるべく細かく医師に伝えて下さい。

体の部位については、例えば、「首」「肩」「背中」の3箇所が痛いのに、「首」が一番痛いので、「首の痛み」しか伝えないと、「肩」や「背中」の痛みは最初からなかった(あるいは途中で治った)ことになってしまいます。

また、症状については、「痛み」「重い感じ」「だるい感じ」「しびれ」など、同じように感じるかもしれませんが、全て別の症状です。例えば、初診時に「首の痛み」を訴えていた方が、3か月後に「首のしびれ」を訴え、症状固定時には「首のしびれ」だけが残ってこれについて後遺障害等級認定を求めた場合、初診時に「首のしびれ」の訴えがなかったとして、症状の一貫性が否定されてしまう可能性があります。

これを防ぐために、ご自身の体のどこにどんな症状があるのか、なるべく細かく医師に伝えて下さい。

2 治療途中に別の症状が現れた場合には、なるべく早く医師に伝えること

初診時になかった症状が、時間が経ってから現れる、というのは、交通事故では非常によくあることです。また、初診の際には症状が「痛み」だけだったけれど、時間が経ってから「痛み」に加えて「しびれ」も生じてきた、というように、新たな症状が加わることもよくあります。

しかし、事故から時間が経ってから現れた症状は、事故によって生じた症状ではない(因果関係がない)とされてしまい、その症状の治療費が請求できなかったり、後遺障害等級認定の対象にならない可能性があります。

そのため、治療途中に別の症状が現れた場合には、なるべく早く医師にその症状を伝えて下さい。

3 転院した場合、改めて自覚症状を正確に伝えること

初診は事故現場近くの救急病院等を受診し、しばらくして、近所の整形外科に転院するという方も多いです。通常、転院した場合、紹介状が書かれ、症状や治療内容について、転院先に引き継ぎがなされます。しかし、全ての自覚症状が正確に転院先に伝わっていない場合があります。

たとえば、初診時の病院では3つの症状について治療を受けていたのに、転院先の病院では2つの症状しか伝わっておらず、その2つの症状の治療しか行われていないというようなことがありえます。これを防ぐためにも、転院した場合には、転院先の病院に改めて、ご自身の自覚症状を詳しく伝えて下さい。

いかがでしたか。通院は数か月から1年近くに及ぶ方も多いので、通院のたびに、自覚症状を細かく伝えるのは面倒に感じてしまうかもしれません。あるいは「前に伝えたから医師は分かっているだろう」という気持ちになってしまう方もいますよね。

しかし、自覚症状を正確に医師に伝え、それをカルテ等に記録として残しておいてもらうことは、後からやろうとしても絶対にできない、通院中にしかできないことです。後で後悔をしないため、①医師に自覚症状をなるべく細かく伝えること②治療途中に別の症状が現れた場合には、なるべく早く医師に伝えること③転院した場合、改めて正確に自覚症状を伝えること、この3点に気をつけて通院していただきたいと思います。

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