交通事故の被害者の方が弁護士に依頼することで増える可能性がある項目はどのようなものでしょうか? 人身事故の場合について、以下に主要なものを挙げてみます。
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入通院慰謝料(傷害慰謝料)
まず、入通院慰謝料が挙げられます。入通院慰謝料は、いわゆる裁判基準(「赤い本」の基準)だと入院や通院の期間に応じて表に当てはめて算出できます。なお、表は比較的症状の軽いむち打ち等の場合用の表Ⅱと、それ以外の場合用の表Ⅰがあります。
この基準で計算すると、自賠責よりかなり大きな額になることが通常です。しかし、任意保険会社は被害者本人に対して「赤い本」の基準で提示することは稀で、かなり低い水準で提示することが多いです。
この点、弁護士が介入して交渉すると、「赤い本」の基準に近いところで和解できることが多いので、弁護士の介入により増額ができることが多い項目となっています。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料についても同様に、当初の提案はかなり低いことが多いので、弁護士による交渉で「赤い本」に近いところで和解できると、大きなメリットがあります。任意保険会社の最初の提案は自賠責とあまり変わらないことも多いので、仮に自賠責と同じ額だとすると、12級の場合、自賠責は94万円ですが、「赤い本」だと290万円となっています。弁護士にご依頼の場合、「赤い本」基準に近いところ(例えば、約9割~満額)で和解できることが多いので、その場合は、差額分が弁護士に依頼したことで得た経済的なメリットということになります。このように、後遺障害慰謝料は、弁護士の交渉により大きく金額が変わる可能性が高い項目です。
逸失利益
後遺障害が残った際に、それにより以後の労働能力が失われることに伴う損失を逸失利益と言います。これについては、基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に応じたライプニッツ係数 で決まるのですが、相手方保険会社は、むち打ちの場合等に労働能力喪失期間をかなり短く提示してくることがあります。これについても、弁護士が交渉することで判例に照らして充分な期間を認めてもらえれば、金額が当初提示より大きく増えることが期待できます。
例えば、むち打ち14級だと判例上は5年程度の労働能力喪失期間が認められることが多いですが、保険会社の提案は2年という場合も多いです。そのような場合に弁護士が交渉して、例えば5年で示談できれば、かなり金額が増えることが期待できます。
休業損害
休業損害についても保険会社の提案だと基礎収入の計算が事故の被害者に不利になっていることがあります。例えば、給与で生活しているサラリーマン等の場合に、保険会社の提案だと事故直前3か月の総収入を90日で割って、それに事故による欠勤日数をかけていることがありますが、この方法だと基礎収入が少なくなります。90日ではなく実際の労働日数で割って、欠勤日数(有給の日数も含む)をかける方が正しいと考えられ、この点も弁護士による交渉で充分な金額の支払が期待できます。
その他
入院雑費、付き添い費用、なども「赤い本」基準で交渉することで増額できる場合もあります。
以上のように、弁護士にご依頼頂くと交通事故の損害賠償額について、相手方保険会社の提案にそのまま応じるより、かなりの増額ができる場合が多いです。もちろん、実際にどの項目が当てはまるか、増額が可能かどうか、はケースによりますので、まずはご相談ください。当事務所は、交通事故の被害者の方からの相談は、相談だけなら無料なので、弁護士に依頼したほうが良いかどうか迷っているという場合も、まずはご相談頂ければ、と思います。なお、当事務所は、弁護士特約を利用してのご依頼も歓迎します。